屋久島上陸!

2013/2/27 水

7:10。宮之浦港到着。
曇り。前線通過後に天気が急速に回復する予報であったが、屋久島はまだどんより曇っていた。
足早にどこかへ向かう他の乗客(数人だけだが)を尻目に、ひとまずフェリーターミナルの中に落ち着く。
缶コーヒーを飲みながら、休憩と情報収集。なんてったって体がまだ揺れている・・・。
時間はたっぷりあるし、急がずとも山は逃げはしない。

屋久島はほぼ円形をしていて、宮之浦は島の北側にある。
島の地形は非常に険しく、海岸線からすぐに山がそそり立つ。平坦地と呼べるのは、宮之浦や安房、尾之間といった一部の海岸のみ。人が住んでいるのは海岸線の薄いエリアだけに限られている。

屋久島を初めて訪れた人は、どういうコースをとろうか迷うに違いない。自分らも熊本で買ったエアリアマップとにらめっこ。
山にどっぷり浸かりたいわけであるが、やはり問題はアプローチ。自転車や荷物を安全に置いておける場所があるのかどうか(基本的には宿とかキャンプ場に預かってもらうのがいいと思います・・・)。
王道としては島の縦断もしくは横断が考えられるだろうか。楠川~尾之間、楠川~永田、永田~尾之間など。なるべく舗装路は歩きたくないですよね。

とりあえず、コースは楠川~尾之間に決めた。普通に歩けば三日のコース。
そうと決まればまずは洗濯。宮之浦のコインランドリーへ。灰をかぶった衣類をここでまとめて洗濯。
続いて隣のスーパーで買い出し。
予報によると、明後日また天気が悪い。明後日の悪天をやり過ごして土曜から入山するか、とおぼろげに考えていた。

入山口の楠川に移動して、テン場と自転車をデポしておける場所を当たる。
登山口の出合に立派な休憩所があった。水もトイレもある。が、残念ながら夜は施錠され、付近でのキャンプも禁止。世界遺産に登録されて以来、殺人的な入山者数なのだろうな、きっと・・・。
張り紙をして自転車をデポしておくだけなら問題なかろう、と読んだ。
デポ地点が確保できたところで続いてテン場。海沿いの県道をさらに東へ走ると、愛子岳の入山口の近くにふれあいパークがある。
トイレはやはり夜間施錠されるが、付近に幕営するのは問題なさそう。ひとまずテン場も確保。

土曜まで下界にいるというのも時間を持て余しそうな気がしてきた。
予定変更。明日から入山することに。悪天の金曜は山中に停滞することにしよう。

山行中の買い出しをすべく、楠川の登山口に戻って建屋の中で食糧計画を立てる。
休憩所には地元のおばちゃんがいた。ここに自転車を置きっぱなしにして問題ないか訊いてみると、問題ないという話。よし、計画成立。
そうと決まれば買い出しだと休憩所を発とうとしていたら、近所の家のおいちゃんが車で帰ってきて休憩所に顔を出した。
あれこれ話を伺うと、どうやらここに自転車をデポするのもふれあいパークでキャンプするのも問題なさそうである。

話の勢いでおいちゃんの家にお茶によばれる。
さらにあれこれ話をしているうちに、「今晩はここに泊まれば?」ということに。そしてなんと、入山中自転車も荷物も預かってくれるという。
ありがたすぎるんですけど、いいんですか・・・?
お言葉に甘えさせてもらうことにした。

おいちゃんは山師(林業関係者)だった。屋久島の杉でできた素敵な家に住んでいる。
ベテラン山師であるからして、山に対する感覚もごく自然。
「山に入ったら用足しはその辺でしちゃえばいいんだよ、肥料になるから」と自分らの感覚と一緒。
エコツーリズムとかが流行っている昨今、違った方向へ行ってしまっている山も少なくない。屋久島なんかその筆頭。窮屈で違和感を覚えるのだが、こういうおいちゃんがいるとホッとする。
「テントはどこに張っても大丈夫だよ」ともおいちゃんは言ってくれるが、実際には昨今の屋久島でそれは難しい(人目がうるさい)。あまりに人が多すぎるのだ。
確かに、こういう殺人的に人の来るところではルールを厳格にするのも必要であると思う。
少なくとも登山道を歩く限り、テントは決まった場所にしか張れまい。
ちなみに、屋久島では登山道のことを歩道という。

お茶をいただきながら、あれやこれやと話に花が咲いた。そのまま勢いで、今晩は鍋をしてくれるということに。
夕方、近くのスーパーへ一緒に買い出しに行く。山行中の食料などもこのときついでに買い出し。
そして夕食。旨すぎる・・・。ビールや焼酎までしこたまある。
屋久島の「三岳」はけっこうなブランド品であるらしく、ここでは一升1,800円で買えるが、東京や大阪などでは6,000~7,000円もするのだとか。
おいちゃんは「三岳しか飲まん」と言っていた。

とても気のいい話好きのおいちゃん。ずーーーっと話をしているから、さすがにだんだんしんどくなってくる。が、山師であるおいちゃんの山の話はいろいろ興味深かった。
おいちゃんは歌も大好き。46型のテレビをボリューム最大にして(周りに誰もいないから大丈夫だと・・・)、録画の”BS日本のうた”を一緒に見て楽しんだ。
最近、なんだか演歌が心にしみるようになった。年をとったということか。

毎晩のように外に飲みに行ってるおいちゃんは、22:00頃になって「外に飲みに行くか」と言い出したが、さすがにそれはちょっと遠慮させてもらって、タクシーでおいちゃんが出かけた間に明日のパッキングをして眠りについた。
今日会ったばかりの人間だけを家に残して出かけてしまうとは・・・ちょっと日本人離れしている。
おいちゃんは、前もって言っていた通り0:00過ぎには帰ってきた。

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どんより曇った屋久島に到着                    屋久島上陸! まだ体が揺れている・・・

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洗濯のあと、テン場と自転車のデポ場所を当たる        結局、おいちゃんの家にお世話になった

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屋久島縦断 楠川~尾之間 Day1 縄文杉

2013/2/28 木
楠川歩道入口(7:45) ~ 白谷雲水峡(10:00) ~ 太鼓岩(12:00) ~ 楠川分れ(13:00) ~ ウィルソン株(14:45) ~ 大王杉(15:40) ~ 縄文杉(16:40) ~ 高塚小屋(17:15)

6:00起床。
昨晩おいちゃんに言われたとおり、マユミがおむすびをにぎらせてもらう。屋久島名物であるらしい焼いたトビウオと玉子焼きも持たせてくれた。
一緒に朝食までおいしくいただく。何から何まで申し訳ないです・・・。

当然ここから歩くつもりでいたのだが、楠川歩道入口の近くまでおいちゃんが車で送ってくれるという。
全行程歩いて縦断したいというこだわりもあったのだが、素直にお言葉に甘えることにした。
距離にして2kmちょっとだろうか。途中の山林はおいちゃんが管理している。
木を伐るときは手を合わせると言っていた。「こんなんでも生きてるからねぇ」と。

お礼を言っておいちゃんと別れ、7:45に歩き始める。
他に人気はない。わざわざ楠川から歩き始める人もそうそうおるまい。
苔むした静かな山の中を気持ちよく歩く。山裾のあたりには、ヘゴと呼ばれているシダの木も自生している。まるでギアナ高地・・・。

10:00に白谷雲水峡に着いた。ひとまず静かな山歩きを楽しめるのもここまで。
白谷雲水峡には宮之浦から車で入ってくることができる。ここまでの人気のなさはどこへやら、状況が一変する。
駐車場にはけっこうな車。観光バスまである。おまけに、急に木道が現れて人間臭くなる。
歩道をそのまま詰めればよかったのだけれど、なんとなく駐車場のほうへ歩いたらゲートがあって、一人300円とられた・・・。入山届の提出も求められ、その場で記入。
それにしても・・・既にこの時季にしてこれだけの人なのか。
四月以降、特に夏場なんて恐ろしいことになっているに違いない。聞くと、多い日には一日1,000人もの人が入山するのだとか。
恐ろしい。
クライミングにしろ山歩きにしろ、山で最も重要なのは人がいないこと。天気の次に重要なファクターだと思う。
人がたくさんいるとそれだけでげっそり。何をしに山に来てるんだかわからなくなってしまう。
妙に人工的に整備された歩道にもげっそり。これじゃ屋久島もクソもあったもんじゃない。

屋久島を代表する観光スポットであるこんなところは足早にスルー。弥生杉に寄り道してから白谷川を渡り、楠川歩道に戻った。
白谷雲水峡に来た人たち(多くはガイドパーティー)は、辻峠(太鼓岩)まで来て引き返す。よって、これ以降はまたしばらく人を見なくなる。

贅沢な話なのだが、今日は天気が良すぎてあまり森が映えない。
苔むした屋久島の森は、ガスったところで見るくらいがちょうどよい。おそらく一番きれいなのは雨上がりだろう。

楠川分れに下るとトロッコ道に合流。
縄文杉を日帰りで見に行く人たち(やはり多くはガイドパーティー)は、荒川口からこのトロッコ道を詰めてくる。したがって、トロッコ道に出るとまた人を見かけるようになるが、時間的に引き返してくる人ばかりである。
トロッコ道を歩いているとマチュピチュへの道を思い出す・・・。

トロッコ道を一時間弱で大株歩道の入口。
この頃になると、時間的に下りてくる人もほとんどいなくなった。
すれ違ったガイドが、「韓国人が10人くらい上がったから今晩はうるさいよ」とニコニコしながら教えてくれた。
ガーーーン。
高塚小屋か、その上の新高塚小屋か。今夜は韓国人のいないほうに泊まることにしよう。

ウィルソン株で別のガイドパーティーと会って以降は誰とも会わず。
屋久杉の巨木と一対一で対峙することができた。これは極めて重要!
木道がキレイに整備されすぎていて、付近が人間臭い面は否めないが、やはり巨木はすごい。この圧倒的な存在感。間近に見ると感動する。
一対一で対峙できたことが何より大きい。
中でも、月並ですがやはり縄文杉のオーラはすごい。間違いなく神が宿っている。手で触れてみたいのだが、残念ながら現在それはかなわない(カメラも設置されているから、そんなことしたら大変なことになる)。
夕方、日が翳りはじめた頃で、時間帯もちょうどよかった。何時間眺めていても飽きそうにない。
ちなみに、ウイルソン株というのは豊臣秀吉の頃に伐られたものらしい。もし伐られていなければ縄文杉以上の巨木であったと思われる。
中は空洞になっているのだが、豊臣秀吉の頃の切り株がいまだに残っているというのもすごい・・・。

17:15に高塚小屋に到着。
韓国人パーティーはいない。予想通り広い新高塚小屋のほうへ行ったらしい。
今晩の寝床決定。他に5、6人の学生パーティーがいた。
こんなこと言うと年寄りくさいのだけれど、最近の若者はコミュニケーション能力に難があるのではないかと思うことがある(もちろんそんな人ばかりじゃないけど)。
小屋にいた学生パーティーもそんな感じだった。海外で会った日本人にもそんな若者が少なくなかった。ま、別にいいんだけどさ・・・。

ヤクシカをよく見かける。
見慣れたニホンジカに比べるとかなり小さく、成体でも子鹿くらいにしか見えない。
禁猟区であることを知っているのか、そばまで寄ってもほとんど逃げることもないのん気なやつらだ。
夜は満天の星空だった。

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ヘゴ・・・ここはギアナ高地か              静かな楠川歩道

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白谷雲水峡・・・贅沢な話だが、天気が良すぎて森が映えない おそらく一番きれいに見えるのは雨上がりだろう

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太鼓岩から・・・正面のピークが宮之浦岳             ヤクシカをよく見る

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おなじみのトロッコ道・・・個人的にはマチュピチュを思い出す

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ウィルソン株・・・豊臣秀吉の頃に伐られたものらしい

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こうして自然にかえってゆく

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艶かしい生命力                    木が地面から生えていることは稀

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圧倒的な存在感・・・巨木と一対一で対峙できたことが何より大きい

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自然はすごい 自然は強い 自然は深い

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縄文杉 このオーラ・・・

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間違いなく神が宿っておられる・・・

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人間のやっていることなどすべて浅はかなのではあるまいか・・・

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屋久島縦断 楠川~尾之間 Day2 新高塚小屋に停滞

2013/3/1 金
高塚小屋(8:10) ~ 新高塚小屋(9:00)

案の定、朝起きると雨がパラついていた。が、時どき青空も見えたりして、思っていたほど悪くはない。
本格的に崩れるのは午後からか?これから前線が通過する予報。

朝食を済ませ、天気が崩れる前に上の広い小屋に移動することにした。
時折り雨の降る中をカッパを着て歩く。
屋久島の森は、こういう日にこそ映える。自然の凄味、生々しさを感じることができる。

屋久島は海岸部の狭いエリアを除き、花崗岩から成っている。土壌は極めて薄く、降った雨は地中に蓄えられることなく地表を流れる。
おまけに、一月に三十五日雨が降る、とも言われる通り雨が多い。
水自体は豊富な島であり、澱むことのない水は恐ろしくきれいである。

その水の豊富な花崗岩の島において、巨木が地面から生えていることは稀である。土壌が薄いから、地面では生育できないのだ。
一番の苗床は、古株や倒木。そこに根を下ろして成長する。
場合によっては、長い年月の間にそれら古株や倒木が姿を消し、そのまま木の根元部分がうろとなって地面から浮いている。
古株や倒木に根を下ろすのは一本だけではない。そこには激しい生存競争がある。
種類を問わず何本もの木が根を下ろすから、もう乱れに乱れてぐちゃぐちゃの状態だ。
お互いが完全に合体してしまっている木もあれば、岩を抱き込んで同化したようになっている木々、巨木の幹や枝に植生した木などなど・・・非常に生々しい。
人工林のように地面からまっすぐ伸びている木などまずない。芸術作品にも見えるその生々しい姿にはグッと惹きつけられるものがある。
樹齢千年を越えるような巨木は寿命の長い杉がほとんど。
ちなみに、樹齢千年以下のものは「屋久杉」とは呼ばれない。「小杉」と呼ばれる・・・。
小杉といったって小さいわけではない。樹齢三百年とか四百年のものはざら。樹齢三千年の屋久杉に比べれば確かに小杉なわけであるが、別のところなら立派なご神木になっているような木がごろごろある。
樹齢三百年は下らないであろう巨木がごろごろ・・・すごいところだ。

新高塚小屋には誰もいなかった。
巨木に囲まれた小屋の中で一日読書に耽る。あぁなんと贅沢な・・・。
雨は降ったりやんだりであったが、思ったほどは降らなかった。
風は強く、上空をものすごい勢いで雲が流れてゆく。
夕方、上から1パーティー下りてきたが、小屋では休憩しただけ。結局、晩も広い部屋を二人で貸切だった。

天気予報によると、今日の風は春一番であったらしい。
明日から冬型となって天気は回復する見込み。山にいるのに冬型になって回復するというのも変な気分ですが・・・。

小屋にはネズミが住んでいる。
暗くなると出てきて、ヘッテンの灯を消した後は運動会のようだった。けっこう気になる。
そんなことだろうとゴミや食料は天井に吊るしておいたのだが、しばらくは走り回ってザックのあたりでガサガサやっていた。

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朝の高塚小屋

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天気が崩れる前に新高塚小屋に移動・・・屋久島の森はこういう日にこそ映える

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自然の凄味、生々しさ・・・無言の説得力がある

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土壌は極めて薄い                          ここでどうしてこれほど木が育つのか・・・

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完全に合体している木・・・

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巨木の幹や枝に植生した木・・・

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ぐちゃぐちゃに乱れてすごいカオス、生々しい姿・・・芸術作品にも見える

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屋久島縦断 楠川~尾之間 Day3 宮之浦岳と黒味岳

2013/3/2 土
新高塚小屋(7:20) ~ 宮之浦岳(1,936m)(9:40) ~ 黒味分れ(12:25) ~ 黒味岳(1,831m)(12:55) ~ 花之江河(13:50) ~ 淀川小屋(15:30)

案の定、朝はガスっていた。雨は降っていないが、風が強く寒い。
登るにつれて巨木が姿を消し、石楠花が目につくようになる。本土のものに比べると葉が小さい。
木道や木の根が見事に凍っていて滑る。木には霧氷がついていて、氷の薄片が風に吹かれて飛んでくる。

一時間ほど登ると森林限界。
周りは一面ヤクザサとなる。これも本土のクマザサと比べるとかなり小さい。
沢の源頭部を詰めているような景色だ。もちろん道は整備されているからヤブコギはないのだけれど・・・。
花崗岩が凍っていてツルツルとよく滑る。
この頃になるとガスが切れ、青空が望めるようになった。

宮之浦岳に登頂したときはすっかり晴れていた。
眼下には雲海が広がっている。激しく噴煙を上げているのは硫黄島だろうか。雲海の切れ間から、時どきピラミダルな開聞岳のピークも望めた。
誰もいない山頂を一時間ほど独占。
花崗岩から成る屋久島の山は、山頂にポツンと巨大な花崗岩が露出しているところが多い。
緑の森と白い花崗岩のコントラストがまたなんとも言えず美しい。腐海から突き出た巨神兵の残骸と見えなくもない。奥秩父の瑞牆山からの景観に似ている。

黒味分れに下る途中、登ってくるパーティーとすれ違った。
天気のよい週末ということで、さぞたくさんの人が上がってくるのだろうと思っていたのだが、予想に反して入山する人は少ないようだ。
ちなみに、宮之浦岳に登る人の多くは、荒川口もしくは淀川口から入山してぐるりと縦走するコースをとる。これだとかなりの標高までバスや車でアプローチすることが可能で、山中一泊のコースになります。

今日は淀川小屋に泊まる予定。
時間があるので、途中黒味岳に寄った。
山頂からの眺めはなかなかのもので、宮之浦岳がきれいに見え、花之江河が箱庭のように見える。
花之江河は標高1,600mにある湿地帯。ヒキガエルが生息していて、ちょうど交尾の季節であるらしく、おんぶをしてピーピー鳴いたり賑やかだった。見た目に似合わず、澄んだ可愛い鳴き声である。

花之江河から下ると、また巨木が姿を現すようになる。
杉に交じって樅の巨木が目につく。

15:30、淀川小屋に到着。
予想に反してここにも誰もいない。小屋から30分も歩けば淀川の登山口であり、この小屋に泊まる人はそうそういないようだ。もっともこの日は小屋の前を通った人も少なかったけれど・・・。
結局、この日小屋に泊まったのは、自分らのほかに淀川口から上がってきた女性の単独者だけ。
学生をはじめほとんどの人がガイド山行をしている中で、女性単独というのはなかなかすごい。
この小屋にもネズミがいるが、昨晩ほどは気にならなかった。

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快適な新高塚小屋をあとにする                木には霧氷・・・氷の薄片が風に吹かれて飛んでくる

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朝のうちはガスっていた                        岩を抱き込んで成長する木

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稜線に出るとガスが晴れた・・・正面が宮之浦岳         屋久島は花崗岩から成っている

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ヤクザサに埋もれるヤクシカ

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宮之浦岳への登り・・・一面ヤクザサで沢の源頭部のよう

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登頂したときはすっかり晴れていた・・・眼下に雲海が広がる(雲の下は本物の海です)

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これも普段の行いか・・・山頂貸切状態

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永田岳がよく見える

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山頂には巨大な花崗岩が露出していることが多い        なかなか芸術的な作品もある・・・

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どこにでもいるヤクシカ                       黒味岳の山頂にも巨大な花崗岩

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黒味岳山頂から見る宮之浦岳・・・写真だと高度感がまるでない

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花之江河へ下る                 花之江河のヒキガエル・・・こう見えても鳴き声は可愛らしい

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これは豆腐岩と呼ばれていたかな・・・

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いったい何本の木から成っているのか?

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いったい何種類の木から成っているのか?

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屋久島縦断 楠川~尾之間 Day4 尾之間歩道

2013/3/3 日
淀川小屋(7:25) ~ 淀川口(8:00) ~ 鯛之川出合 ~ ハイキング道分岐(14:45) ~ 尾之間温泉(16:25)

晴れ。昨日より雲が多い。
淀川登山口に下り、ザックをデポして紀元杉を見に行く。登山口から往復40分ほど。
ここにはキレイな舗装路が走っていて、そのまま東に行けばヤクスギランド、そして荒川分れを経て安房に下りられる。
紀元杉は寄り道してでも見る価値大です。

ザックをピックアップして9:00に淀川口から尾之間歩道に入る。
ここは比較的長くて健脚者向き。歩く人は少ないと思われる。この日も誰にも会わなかった。
でも、素晴らしいんです。屋久島の自然にどっぷり浸かれるオススメのルートです。

しばらく尾根沿いを歩き、乃木岳(のんきだけ)を回り込むとルートが南に折れる。
ここから小さな沢をつなぎながら下りていくのだが、この沢沿いが実に素晴らしい。一面緑で、まさに神々の住む世界。ところどころにそんな場所がある。
まるで”もののけ姫”の世界だ。息をのむほど美しい。間違いなく木霊もいるな・・・。
ちなみにこの歩道は、伐った木を板状の材にして下ろすために江戸時代に整備された道とのことである。

久しぶりの長い下りでけっこうくたびれた。
ハイキング道の分岐まで下る頃にはかなり疲れていた。それでも屋久島でありがたいのは、水を持ち歩く必要がまったくないこと。とにかく水が豊富で、どこでも得られる。
ハイキング道には様々な説明板が立っていておもしろい。いろいろ勉強になることが書いてある。
ここで初めてヤクザルも見た。鹿はやたらと見かけたけど、猿を見たのは初めて。
一つの群れのようだった。まぎれもなくニホンザルであるが、やはり体が小さい。

標高200~300mまで下りると、地質も植生も変化する。急に熱帯のジャングルになるから驚きだ(ここまで下りると土壌がある)。
ヘゴ(シダの木)が生え、巨大なシュロの木のようなのも群生している。いや、緯度の上からはむしろ熱帯のジャングルであるほうが自然なわけだけれど・・・。
熱帯のジャングルにはじまって、杉の巨木帯があり、森林限界まで。植生の垂直分布にはすごいものがある。こんな場所は世界的にも珍しいのではなかろうか。

尾之間歩道の入口には温泉がある。
のぞいてみると21:30まで開いているということなので、ひとまずもう少し下ってAコープで買い出しを済ませる。

尾之間から山のほうを見ると、顕著な岩峰が目につく。おぉぉこれは・・・フィッツロイか、見たことないけどエルキャピタンか。そんな感じの目立つ岩峰だ。
地図を見るとモッチョム岳。歩道があって、後ろから回り込んで登れる。明日登るか・・・。

腹ごしらえをしてからのんびり一時間ほど湯に浸かる。熱くて自分好みの温泉である。
ただ、ちょうど時間が悪かったのか凄まじく混んでいた。皆さんサッと入ってサッと出ていくのであるが、次から次に人が来る。付近に住んでいる人がほとんど全員来ているのではないかと思えるほど。

屋久島は移住者が多い。特に、暖かい島の南側にはたくさんいる。
Aコープでも温泉でもそれっぽいヒッピー系の人をよく見る(自分らは愛着を込めて大鹿系と呼んでいる)。
島でガイドをやっていたり、民宿やキャンプ場を営んでいるのはほとんどが移住者であろうと思われる。
スーパーとか温泉にある掲示板には、ヨガやらヒーリングやらのチラシがよく貼ってある。
なんというかそこには一種独特な雰囲気が漂っているのだけれど、どうも自分らはこの手の雰囲気に馴染めない。どこか胡散臭く感じてしまう。
旅行者の多いところ、もしくは移住者の多いところには決まってこういう雰囲気が漂うから不思議だ。なぜなんだろう・・・?
話を広げると、どうもこれは日本に限った話ではない。南の島とか、東南アジアや中南米といった暖かいところでは特に顕著なように感じる。
たぶん、旅行者や移住者の多くがヒッピーのような生活に憧れているのだと思う。
極端な環境保護とか、自然農法への過度なこだわりとかを見るにつけ、「どうなんだろう」とついつい斜に構えてしまう。シーシェパードやグリーンピースといった団体も、根はこれらの一環なのだと思う。
どこか偽善めいていて胡散臭く感じてしまうのは、自分らがひねくれているからなのだろうか・・・。

さて、本日の行動は温泉に浸かって終わりではない。
今宵のテン場はモッチョム岳の登山口に定めていた。ヘッテンを点けて真っ暗な舗装路を歩く。
途中から上りとなり、真っ暗闇を歩くこと二時間(完全に不審者だ)、20:55にようやく登山口に着いた。
すぐにトイレの裏手の草地に幕営。長い一日だった。もうヘロヘロ。

尾之間に下山してから楠川のおいちゃんに電話したところ、明日は留守にするということだった。よって、明日もこの近辺に泊まって明後日楠川に戻る予定。
ちなみに、おいちゃんは「何かあったらすぐ電話しなさい」と携帯を貸してくれていた。ありがたいことです。

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淀川小屋                               小屋の近くにこんな立派な木がある

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紀元杉・・・寄り道してでも見る価値大

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尾之間歩道へ                    杉の幼木 この中から屋久杉が・・・

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一面の緑、神々の住む世界、まるで”もののけ姫”の森

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間違いなく木霊もいるな・・・

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沢をつなぎながら下りていく

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巨木が既にひとつの森               だいぶ下りてきた

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美しい歩道だった

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標高200~300mまで下りると地質も植生も変化する・・・ここまで下りると土壌がある

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ヘゴやシュロの茂る熱帯のジャングル・・・緯度の上からはむしろこのほうが自然

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ヤクザル                                顕著なモッチョム岳

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その登山口に幕営(翌朝撮影)

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 About Me / プロフィール

nakappie

Author:nakappie
1970年生まれ。妻と二人信州伊那谷在住。
2009年10月~2013年5月の旅を記録するために”なかっぴー通信”をスタートさせました。
現在は伊那谷にて節約生活をしながら充電中。
2014年4月、ブログのタイトルを”なかっぴー通信NEO”に改めました。
信州伊那谷より~旅のこと、山のこと、自転車のこと、そして田舎暮らしのことなどなど・・・気ままに綴ってゆきます。
”おもしろきこともなき世をおもしろく”そんなふうに生きていけたらいいですね。

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