恵那山

日付: 2014/6/13 金
ルート: 園原 ~ 広河原登山口 ~ 山頂ピストン

恵那山は、中央アルプスの山塊からはちょっと外れているように見えますが、見方によって中央アルプス最南端とされる山です。
スッキリ晴れていれば、自宅から少し上ったところ(毎朝の散歩コース)からもきれいに見えます。
どっしりとして整った山容をしており、周りに高い山がないからけっこう目立ちます。

山容はともかく山頂まですっぽりと樹林に覆われているし、中津川のほうから登らねばならないとばかり思っていたので、これまであまりそそられることのなかった山なのですが、これまたあるとき地図を眺めていて阿智から登れることに気付きました。
見ると、中津川から歩くより短い距離で登れる。
阿智村の園原にスキー場があり(これも知らなかった)、そこをスルーして本谷川沿いにゲートの手前まで林道でアプローチできそうである。
中央道の恵那山トンネルの手前ならアプローチが楽チン。
阿智なら飯田の隣で、家から自転車でアプローチできる場所ではないか・・・。
なんだか急に身近な山に思えてきた。

そんなわけで権兵衛峠の翌日に行ってきました。
アプローチは今回も車です。

朝起きると伊那谷は晴れているものの、中央アルプス側も南アルプス側も山はすっぽり雲に覆われている。
たぶん雨だろうな、と思いつつ恵那山へ。
家を出たのは7:00過ぎ・・・のんびりしたもんです。通勤の時間帯でもあり、飯田の町中はやはり激しく混んでいた。
阿智村の園原のあたりまで来ると雨が降り始めた。8:30過ぎにゲート前着。家から50kmほど。
自転車でアプローチするなら、核心は飯田の町中だろうな。どこかいい道はないものだろうか・・・。
ちなみに園原から先の林道は、天気が悪いこともあり、本当に大丈夫なのか・・・という感じの狭くて暗い林道です。

雨は降ったりやんだり。車の中でしばらく様子を見る。
山頂まで樹林にすっぽり覆われているから、山に取り付いてしまえばそれほど雨が気になることもなかろう・・・そんな期待も込めて9:00過ぎに出発。
ゲートの少し手前のスペースに車をとめたのだが、ゲートのところにはきちんとした駐車場があり、車が5、6台とまっていた。地元のナンバーは一台もなく、場所柄から名古屋圏のナンバーがほとんど。
さすが百名山、恐るべし・・・。梅雨どきの平日のこんな天気の日にもそれなりに人がいる。

林道歩きが30分ほど。
山に取り付いてからはずーーーっと樹林の中。時折り開けたところから伊那谷が見える(飯田まで来ると谷からはほとんど出てしまっている感がありますが・・・)。
途中で二組ほど追い越し、山頂近くになると下りてくる人たちとすれ違う。出た時間が遅いですから。

11:45に登頂。登りは登山口から2時間15分ほどです。
山頂も展望はまったくなし。よせばいいのに展望台が設置されているのですが、晴れていればなにか見えるのでしょうか?
すぐ先に恵那山神社がある。神社は反対の中津川のほうを向いているから、こちらからだと背後からアプローチすることになり、ちょっと変な気分になる。
何はともあれ神社にお参りして、腹ごしらえ。
中津川のほうから登ってきた人がさぞいるであろう、そう思っていたのだけれど、少なくとも山頂には誰もいなかった。あとから登ってきたのもすべて阿智から登ってきた人。
最近は阿智から登る人が多いのかもしれない、より簡単に登れるから。
現金なものだ。自分がトンネルの向こうに住んでいたら、わざわざ阿智から登ったりしないけどな・・・。

山頂はガスの中であったが、下り始めると雲間から見える伊那谷は晴れていた。
13:45に登山口に下りてきた。下りは一時間半といったところ。

せっかくなので帰りは昼神温泉に浸かってゆく。はじめての昼神温泉。
マユミが調べたところでは、露天風呂つきのところで500円で日帰り入浴できるところが二ヶ所ある。
県道沿いにある一ヶ所のところ(湯ったり~な昼神)なら都合がよかったのであるが、残念ながら工事中のため休館。もう一つのところ(阿智の里ひるがみ)にのんびり浸かって帰ってきた。
伊那谷は今日も雨が降らなかったようである。中央アルプス側にも南アルプス側にも相変らずすごい雲がっかっているというのに・・・。
そろそろ恵みの雨がほしいところです。

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伊那谷は晴れているものの・・・                 さすが百名山!きちっと整備された登山道

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時折り開けたところから伊那谷が望める            山頂も樹林に覆われていて展望はない

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登山道にいたヒキガエル・・・捕まってもまったく焦った様子がない    林道から見上げた恵那山

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自転車アプローチ登山10 御嶽山(3,067m)

木曽のおんたけさんに行ってきました。久しぶりの自転車アプローチです。

日付: 2014/9/17(水) ~ 9/19(金)
ルート: 自宅 ~ 権兵衛トンネル ~ 木曽福島 ~ 開田口 ~ 御嶽山 ~ 開田口 ~ 木曽福島 ~ 権兵衛トンネル ~ 自宅

ひとつの山としてはおそらく日本で最も大きいのではなかろうかという御嶽山。
深田久弥の「日本百名山」の中では次のように記述されている。
「普通御嶽は日本アルプスの中に入れられるが、この山は別格である。そういうカテゴリーからはみ出している。北だの、中央だの、南だのと、アルプスは混みあっているね、そんな仲間入りは御免だよ、といいたげに悠然と孤立している。たしかにこのヴォリュームのある山は、それだけで一王国を形成している。一個の山として、これだけ図体の大きい存在も稀である。山頂は、最高の剣ヶ峰を初め、継母岳、摩利支天山、継子岳などからなっていて、(中略)甚だ変化に富んでいる。しかし遠くから望むと、それらすべてが一つの大きな頂上となって、そこから裾へ向っておおらかな斜線をおろしている。」

その通り、デカイんです、御嶽は。
そしてまたご存知の通り、山岳信仰の山でもあります。いわゆる「御嶽教」です。
盛夏の時季には、白装束の信者たちが金剛杖を持って登る山です。
長野側、岐阜側とも、山裾に点在する集落それぞれから登山道が延びておりますが、その中で最も古いのが黒沢口、次いで古いのが王滝口です。
この二つは言わば御嶽の表口と言っていいところで、御嶽信仰によって開かれた道。今でも信者の講登山が盛んであり、いわゆる「登山」とは一線を画した趣があります。多くの霊場や信者のための宿、鳥居や霊神碑に圧倒されることでしょう。
今では車道やロープウェイが延び、ともに七合目(王滝口:2,180m、黒沢口:2,150m)まで歩かずにワープできてしまうルートでもあります。
それでも富士山のように鬼混みということは決してありませんので(登山者に敬遠されるおかげでむしろかなりマイナー)、気軽に訪れることができるのではないでしょうか。立山と比べても空いていると思います。

静かな山にどっぷり浸かりたい人には開田口がオススメ。
山裾の鬱蒼とした深い森、その原始性は誠にみごと!でしたよ。苔むした感じで言うと、屋久島を軽く超えてますね。ここまで苔むした場所を自分は他に知りません。
尚、開田口の登山道入口は四合目直下になり、そこまで車で入ることもできますが(最後2kmくらいはダート)、御嶽の大きさを実感したいのであれば自転車アプローチがオススメ(笑)。
以下、行動の記録です。

【一日目(9/17 水)】
雲は多いが一応晴れている。
8:30に自宅を出た。木曽側へ抜けるため、まずは権兵衛トンネルを目指す。
国道を避けて県道18号を走り、飯島で天竜川を渡って右岸の農道に出る。
国道よりマシだろうとルートにとったわけであるが、ここで「日本の道路は自転車で走りにくい」と久しぶりに実感した。

他の国で自転車に乗ったことのある人はわかると思うのだけれど(そう思っているのは決して自分だけではないと思う)、日本の道路というのは世界的に見ても極めて自転車で走りにくいんです!
これは、走っていて楽しいとか気持ちいいとか、風景がきれいとか、舗装がきれいとか楽に走れるとか、はたまた交通マナーが良いとか悪いとか、そういったこととは別問題です。
ズバリ、走りにくい!
何で決まるのかというと、単純に道路の広さと交通量。
日本の道路はとにかく狭い。それでいてとにかく交通量が多い。
たとえ道路が狭くても、交通量さえ少なければ走りにくいことはない。誰もいないような山の中、車一台分の幅の林道しかなくても、精神的に走りにくさは感じないわけです。
逆に交通量が多くても、道路さえ広くて十分な通行帯さえあれば、これまた走りにくさは感じない(これはこれでつまらないし、別な意味で不快ではあるでしょうけど)。
道路の幅と交通量、世界的に見て日本の道路はこの関係が実に絶妙なんですね(笑)。
たまに思い出したように現れる歩道、これがまた拍車をかけている。
自転車が通行できるところもあるわけですが、段差だらけでとても走る気にならない。いったい何のためにあるんだか。ないとマズイから、という体面だけのために設けているとしか思えない。
ヨーロッパの状況、その細部をよく見習っていただきたい・・・と、このあたりの愚痴は長くなりそうなんで、また別の機会に書きたいと思います。

出発してからずっと上り。アップダウンを交えつつ、じりじりと標高を稼ぐ。
そして権兵衛トンネルに差し掛かる。
平成十八年に開通した権兵衛トンネル。ハッキリ言って、これは快挙です。おかげで伊那谷と木曽谷の行き来がえらく楽になった。
と言っても、それは主に自動車を対象にした話であって、長いトンネルですから、(自転車も恩恵にあずかれるわけですが)精神衛生上は旧道を走るよりむしろよろしくない。

伊那谷と木曽谷の間は、権兵衛トンネルを筆頭に四つのトンネルで結ばれています。四つを足した総距離が7,324m!最長のものが権兵衛トンネルの4,470m。
問題は、このトンネルが平坦じゃないってことです・・・。
伊那谷側からだと、権兵衛トンネルが緩い上り、残りの三つが緩い下りになります。権兵衛トンネルは最後に勾配が落ちるから、伊那谷側からトンネルに突入すると出口の光が延々と見えない・・・。
頭にヘッテンを点滅させたり、考えうる限りの目立つ格好でトンネルに突入するんですけど、中には無灯火で通行している頭のおかしな車もいるし、やはり怖いですよね。
自転車で走るトンネルって、特に音が怖いんです。近づいてくる音を聞いていると、後ろから轢かれそうな錯覚を起こします。
通行する方は、ぜひ気を引き締めて走ってください。

木曽側に出ると晴れていた。風も急に強まった。
国道19号まで一気に下る。
この国道19号ってのがまた、走りにくい日本の道路の代表格みたいな道路です。道が狭いのにトラックが多くてどうにもならん・・・。
ここを好んで自転車で走る人はいないと思いますが、自転車で走るのはまったくオススメしません。ほとんどの区間を旧中仙道が並走しているはずですので、そちらを走ることをオススメします。
旧中仙道は車で走るには狭い道ですが、自転車で走る分には実に快適。古い宿場をいくつも通る、味のある楽しい道です。

それにしても・・・木曽谷は伊那谷と比べて圧倒的に狭く、自然環境も厳しい。そして圧倒的に歴史がある。
「木曾路はすべて山の中である。」というのが島崎藤村の「夜明け前」の書き出しであるが、まさにそのとおりであると思う。
一歩木曽側へ出ると、そこはまったくの別世界。自然環境も生活習慣もまるで違う。
今でこそ同じ長野県であるが、ちょっと昔まではそれこそ別の国だったのだから当然と言えば当然だろうか。
俗に「信州」と言えば、そのイメージはやはりなんといっても山深くて暗い木曽のそれではないかと思う。これぞまさに多くの人の持つ信州のイメージではなかろうか。
そんな木曽谷のほうを昔は主要街道が通っていたのだから、今となってはちょっと不思議な気がしないでもない。伊那谷は南から入るのが極めて困難(山深すぎて・・・)、というのがその理由でしょうかね。

木曽福島で買い出しをして、その先で県道20号に入る。木曽谷から御嶽へ向う。
三岳で王滝への道を分け、さらに北上。道路脇にサルがたくさんいる・・・。
ちなみに、三岳(昔の三岳村)の中心部に御嶽の(黒沢口の)一合目がある。

きつい勾配ではないが、上りが続く。
あり得ないくらい尻が痛い・・・今さらながら、うすうす感じてはいたのだが、どうやらスペシャに装着したサンマルコのサドルは自分の尻に合っていないようだ。決定的!まず間違いない。二千円ちょっとの安いサドルだからそれほどダメージはないけど、やはりはずしたのはショックだ。
おまけに今日は水分補給に失敗したのか、ハンガーノックか、はたまた単に脚力が落ちてしまっただけなのか、妙に辛い。菅沢の分岐に入る頃には頭の中が真っ白で、ほとんど死亡遊戯状態だった。
後ろにピッタリついてくるマユミはずいぶん余裕があるように見える。実はマユミのほうが体力があるのではないか、と思考力が薄れゆく中でおぼろに思ってしまった。

だんだん時間との勝負にもなってきた。はたして明るいうちに着けるのか・・・。
開田高原キャンプ場(たぶん閉まってた)の前を通ってさらに上る。登山口への分岐を入る頃には完全に限界を超えていた。
そのまましばらく上るとダートになる。とても自転車に乗って上ることなどできそうになく、早々に諦めて押して歩く。

そしてようやく到着、登山口!自宅から98km・・・思ったより距離があった。
その先に車五台分ほどの駐車スペースがあり(当然誰もいない)、そのちょっと手前のスペースにテン場の目星をつけた。
時刻は18:00。テン場が決まったところでまずは水の確保だ。
ここは、登山口から三、四分歩いたところで水がとれる。
すぐに容器とヘッテンだけ持って水汲みへ。

水汲みから帰ったところでテントを張る。
薄暗くなってしまっていつもより整地が甘くなったが、まずまず上々のテン場だ。
誰もいない、暗くて静かなテン場というのはいつ以来だろう。

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中川を出発                                 ちょうど蕎麦の花が見ごろです

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遠目に見ると本物に見える・・・                     権兵衛トンネルに向かう

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権兵衛トンネル=4,470m                       木曽側は晴れていた

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味のある旧中仙道                             御嶽の開田口へ・・・そろそろ限界が近い

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最後のダートの上りは自転車を押した

【二日目(9/18 木)】
テン場6:25 ~ 五合目7:00 ~ 七合目8:30 ~ 九合目9:10 ~ 三ノ池10:05 ~ 開田頂上10:30 ~ 剣ヶ峰11:30
~ 開田頂上12:35 ~ 三ノ池12:55 ~ 九合目13:40 ~ 七合目14:05 ~ 五合目15:30 ~ テン場16:00

夜中、頭上で風がゴーゴー唸っていたが、テントには当たらず。快適なテン場だった。
にもかかわらず、疲れすぎてしまってよく眠れず・・・。

4:30起床。いつものようにコーヒーを飲んでラーメンを食べ、テント撤収。
藪の中の木に自転車を縛り付けて6:25にテン場をあとにした。
歩く前から既に疲れているという・・・。

四合目の水場を過ぎてすぐ、あたりが苔むした森となる。
これは・・・緑すぎて目がおかしくなりそうな感じ。そんな感じ、わかりますでしょうか。
こんな場所は屋久島にも南アルプスにもない、と思う。
いかにもキノコが群生しそうな環境なのだけれど、まったく生えてない。このあたりだと今年はもう終わってしまったのだろうか。
生えている木は主にいわゆる木曽五木・・・ヒノキ、サワラ、ネズコ、アスナロ、コウヤマキ、です。シラビソやダケカンバも多い。
リスがいきなり目の前に現れて、勝手にこちらに驚いていたりする。
そんな苔むした緑の世界が六合半くらいまで続く。

七合目より上になると高木が減る。
同時に苔むした森も終わり、登山道の両側にブルーベリーの木が群生するようになる。
見た目も味も、まさにブルーベリー。食べてみると甘酸っぱくて実に美味。
つまみ食いをしながら歩き、標高を上げる。こいつはいい。
そのうち涸沢がルートになるのだが、ここにキソアザミが群生していて、触れるとチクリと痛いのでおっかなびっくり歩く。
空はスッキリと晴れ、振り返ると中央アルプスが全部見えていた。こんな風に見えるのは久しぶり。でも、やはり中央アルプスは伊那谷側から見たほうが絵になるなぁ。

九合目からしばらく登るとハイマツ帯となり、御嶽の頂上部がよく望めるようになる。
谷を挟んだ山の斜面に女人堂からの道も見えるが、ここへ来ても人影はまったくない。
ハイマツ帯にはホシガラスがいて、見るとハイマツの実をくわえている。好んで食べるらしい。
登山道にところどころマツの実を食べ散らかしたあとがあるのだが(先日の仙丈から気になっていた)、どうやらホシガラスの仕業のようである。

三ノ池からひと登りすると開田山頂。遠くから見ればもう広い山頂の一部である。
風がすごい。飛騨側からひっきりなしに吹きつけて、えらく冷たい。
雪が降るのも間もなくではなかろうか。もうすっかり冬といった感じだ。
たまらず上だけカッパを着る。手袋やニット帽もほしいくらいだ。

サイノ河原を過ぎ、二ノ池経由で剣ヶ峰へ。二ノ池あたりでパラパラと人を見かけるようになった。
ちなみに、二ノ池は日本最高所にある湖で、標高2,905mである。湖面の色がなかなかすごい。

剣ヶ峰には十五人ほど人がいた。それでもまぁ思ったほどの人じゃない。
ほぼ全員が王滝口の田の原から登ってきた人たち。せっかく来たのにお鉢巡りをする人すらいないのは、ちょっともったいないような気がする。
なかなか気持ちよかったですよ、お鉢巡りは。風がすごかったですけど・・・。

三ノ池まで戻ってくる頃にはすっかりガスってしまった。
同じ道をテン場まで下る。
下部の苔むした森といい、森林限界より上の高山帯といい、頂上部の散策といい、御嶽はなかなかおもしろい山だった。
機会があればまた来てみるか、そんな風に思えた。

四合目で水を汲んで帰り、昨日と同じ場所に今日はしっかり整地をして幕営。
昨日に続いて誰もいない静かな夜・・・人がいないって素晴らしい!!

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苔むした森・・・緑すぎて目がおかしくなりそうな、そんな感じってわかりますでしょうか?

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一面緑の絨毯                                新たな生命

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ブルーベリーの木が群生!甘酸っぱくて美味!           そのうち涸沢がルートになる

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中央アルプスが全部見えた

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沢沿いに群生するキソアザミ                       ハイマツ帯に出る

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三ノ池                                    剣ヶ峰へ向かう

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この階段を上ったところが剣ヶ峰                    御嶽山最高所=3,067m

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お鉢巡りへ                                  単純に気持ちいい

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なかなかよかったですよ、お鉢巡りは                  風がすごかったですけど

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二ノ池は日本最高所にある湖・・・色がなかなかすごい     こちらはサイノ河原・・・頂上部の散策もなかなかおもしろい

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四合目にある水場                            昨日と同じ場所に幕営・・・人がいないって素晴らしい!!

【三日目(9/19 金)】
1:00頃トイレに起きると、空の一部が晴れていて、そこだけすごい数の星が見えていた。
こんな星空を見たのもなんか久しぶりだった。星なんて家の明かりや街灯がないところでないと見えないから(空気が澄んでなければいけないのは言うまでもない)、必然的に人気のないところで野宿したときくらいしか眺めることがないのだ。

4:30過ぎに起きる。
昨日までとは季節が変わったかのように今朝は冷え込んだ。空は快晴。

食事をして荷物をまとめ、6:40に二泊させてもらったテン場をあとにした。
自転車へのダメージを考えて、出だしのダートは押して歩く。
舗装路になったところから自転車に乗って下る。ひたすら下る。
寒い、手が冷たい・・・こいつはもう冬用のグローブが必要だ。指切りグローブでなど下っていられない。

菅沢の分岐まで下ると、御嶽山がスッキリ望めた。来るときにはまったく見えなかったけれど、今朝はよく見える。
ここから行きとルートを変えたいのであれば、もうしばらく県道を北上すれば国道361号とぶつかり、この道で木曽福島へ抜けることもできる。広くてキレイな道路だ。車やオートバイならこちらのほうがオススメ。
が、いかにもリゾート地って感じのところが多かったから、自転車で走るとつまらないのではないかと思う。たぶん生活感のある県道を下ったほうが楽しい。

そんなわけで来た道を下る。木曽川までひたすら下る。
下りはあっという間で、僅か1時間20分で道の駅三岳まで下ってきた。
木曽川に出たら不快な国道19号は避け、例によって旧中仙道を北上。木曽福島のスーパー(8:30前から開いていた!)で腹ごしらえ。
宮ノ越宿の先で、行きと同じように一瞬だけ国道19号を走る。僅か1kmほどなのだけれど、ものすごく不快というか走りにくい。

山吹トンネルの手前で国道19号を離れる。ここから権兵衛トンネルまで上り返し。
トンネルの恐怖を考えると、旧道で権兵衛峠を越えたほうがいいのではないか、そんな風にも思ったのだけれど、実は旧道が通れるのかどうか定かでない。少なくとも自転車なら通行できるのではないかと思うのだが、行ってみて通れなかったではシャレにならない。
トンネルを走ることに決めた。

木曽側からだと、権兵衛トンネルの手前にある三つのトンネルが緩い上り。長いのは最初の姥神トンネルで、1,826mある。
4,470mの権兵衛トンネルは下りだ。木曽側からは出口の明かりが遠くに見えるが、これが一向に近づいてこない・・・。
トンネル内でトラックに追い越されるのは何度経験しても怖い。多くのトラックは追い越す手前で減速してくれるのだけれど、それでも怖い。音がもうね・・・。
大型トレーラーに一台追い越されたのだけれど、(もちろん目いっぱい減速してくれたが)これなんてもう幅がギリギリだった。

無事伊那谷側へ生還。
木曽側から伊那谷へ抜けてくると、驚くような景色に出合える。この景色にはいつも唸ってしまう。
権兵衛トンネルを抜けてしばらく下ると、急に視界が開ける。伊那谷の北限に近いこのあたりは特に谷が広く、高遠や長谷の集落が目の前に広がっている。その背後には南アルプスがドーンと鎮座している。
狭い木曽谷から来ると、この眺めは実に明るく、新鮮に映る。
高曇りの今日は山がよく見えた。
目の前に甲斐駒と鋸の山塊がドーン。甲斐駒も伊那からだとずいぶん立派に見えるのだと思った。
その隣に仙丈、塩見・・・と連なっているが、この方面の眺めは見慣れている。
新鮮だったのは甲斐駒よりさらに北。八ヶ岳が見える。伊那からはよく見えるんだなぁ・・・しかも、手前の山なみを介して南アルプスから連なっているように見える。
八ヶ岳の北に見える均整のとれた円錐形の山は蓼科山か。さらにその北、なだらかな丘のように見えるのは霧ヶ峰か。
実に新鮮な眺めだった。伊那からこんな風に見えるとは知らなかった。
蓼科山なんて、要するに北八ツなんて、どこかミーハーでまったく興味がなかったけれど、この美しい山容を見るとぜひ登ってみたくなる・・・。
北関東にいた時分は、八ツや蓼科というと八千穂や小海から登る山だったけど、今は諏訪や茅野から登れるんだな・・・などと当たり前のことを改めて思った。

ここからは、山を見ながらほとんど惰性で走った。
13:30に自宅に到着。開田口までの往復で締めて195kmだった。

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朝のテン場・・・昨日までと季節が変わった              菅沢から仰ぐ御嶽山

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寒い・・・もはや指切りグローブで下っている場合ではない     三岳にある御嶽山一合目

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国道19号を一瞬だけ走る                         権兵衛トンネル走行中

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けっこうすごい景色なんですけど・・・写真じゃわかりませんね

Trackback [0] | Comment [0] | Category [■ その他信州の山] | 2014.09.21(Sun) PageTop
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秋の陽だまりハイク・・・蓼科山(2,530m)

9月27日、御嶽山が噴火。つい十日ほど前に登った山(自転車アプローチ登山10 御嶽山(3,067m))が噴火したということで、たいへん驚きました。
その日は二人で蓼科山に行ってました。御嶽からの帰り、権兵衛トンネルで木曽から伊那谷へ抜けたときにきれいに見え、登りたくなったという山です。
噴火のことは、帰りの車のラジオで知りました。ちょうど大相撲を聞いていたところ、中継が中断してニュースが入った。
そのときは噴火の規模を知らず、「わかったから大相撲の中継をやってくれ・・・」と二人で話していたのですが、温泉に着いてテレビを見ると、噴火の規模が予想をはるかに上回るものだったのでビックリ仰天したという次第。
タイミングの悪いことに、噴火したのが快晴の土曜日で、しかも時間が11:53という・・・ちょうど多くの人が山頂にいそうな時間です。十日前、自分らが登ったときはちょうど剣ヶ峰にいたか、もしくはお鉢巡りをしていたときです。
この日、蓼科山はものすごい人でしたから(ま、快晴の土曜に限らず蓼科はいつもこんな感じなんでしょうけど・・・)、御嶽山にもさぞやたくさんの人が登っていたことでしょう。
御嶽山で噴火、などというのは完全に想定外のことだったと思いますが、火山というのはやはり油断なりませんね。
木曽側では今年になって地震が頻発しておりましたが、それもどうやら御嶽の火山活動と関連があったようですね。

さて、蓼科山ですが、山自体は悪くはなかったものの、あまりの人の多さにうんざりしてしまいました・・・。
なんでしょうか、ここは。なんというか、ここはもう山ではないですね、あまりに人間臭くて。浮ついたような、チャラチャラしたような、勘違いしたような・・・なにか独特な雰囲気があります。
八ヶ岳は山域全体を通してそんな観があります。
ハッキリ言って開発されすぎ。山全体がリゾート地と言っても過言ではない。
山の西側なら蓼科を筆頭に白樺湖、女神湖、原村、富士見高原。東側は清里を筆頭に野辺山、松原湖、小海、八千穂など。日本有数のリゾート地、別荘地ではないでしょうか。
もうすごいことになっております。別荘をはじめ、ペンションや小洒落た店、美術館などが集まっています。
それにしても・・・八ヶ岳によらず日本全国どこへ行っても、高原のリゾート地というとどうしてこうヨーロッパ風、特に北欧風にしたがるのでしょうか。
自分などはもうこそばゆい違和感を覚えるわけですが、一般的にはこういうのがうけるんでしょうかね・・・。

都心部からアクセスしやすいことがこの山の運命を決定付けた、と言える。
山としてはもう終わっていると、少なくとも個人的にはそう思います。
決して懐の深い山ではないところへ多くの人が押し寄せるものだから、それはもうたいへんなことになるに決まっている。
特に酷いのは北八ツですけど、南八ツも少し毛色は違いますが、やはりすごい(北八ツ、南八ツというのは、夏沢峠あたりを境にそう呼ばれます)。
八ヶ岳の南部は、赤岳を中心に冬場はアイスのメッカです。もともと雪が少なくて寒いから、気候的にアイスに適しています。それでいて都心部から近く、入山口からのアプローチも短いですから、人が集まるのも道理なわけです。
道理なわけですけど、それはもうすごい人です。特にシーズン初めなどはすごい。あの人の多さを考えただけで行く気が失せてしまうほど。
懐の深くない山にたくさんの人が集まりますから、どうにもゲレンデ感が否めない・・・ま、個人的な感想です。

蓼科山から話が逸れてしまいました。
せっかく行ってきたのに、あまりの人の多さに愚痴しか出ない・・・。
少なくとも無雪期に蓼科へ、北八ツへ行くことはもう二度とないでしょうね。
深田久弥が登った頃の八ヶ岳は、まだ静かな山だったようで・・・今となっては羨ましい限りです。

以下、今回の記録です。

日付: 2014/9/27 土
ルート: プール平 ~ 親湯入口 ~ 女神茶屋登山口 ~ 蓼科山頂 ~ 天祥寺原 ~ 竜源橋 ~ 親湯入口 ~ プール平

4:20に自宅を出て車で茅野へ向う。
中川からの最短ルートは、伊那から高遠経由で杖突峠(1,247m)を越え、茅野へと下るもの。
杖突峠は高遠側からは緩い上りですが、茅野側はけっこうな急坂です。
杖突峠を越えて少し下ると、眼下に茅野の町が広がっているのが望める。デカイ・・・久しぶりに見た茅野の町がものすごく巨大に思えて、自分でも驚いた。しばらく伊那谷に引き篭もっておりますから・・・。

車で走る距離をなるべく短くするため茅野から登る(ガソリンが高いですから)、ということは決めていたものの、具体的にどこから登るということは決めていなかった。というか、二人揃って下調べを何もしなかったので、どこに車をとめられるのかわかっていない。
地図を見ながらアプローチ。もちろんナビなどというハイテク機器はありません。厳密に言うと、二人とも今までナビもGPSも使ったことがない(笑)。
途中、昔よく美濃戸口へ行くのに通った道を走った。なんだか妙に懐かしい。
そうそう。茅野でいったんR20に出てガソリンを入れたら、伊那谷より10円くらい安くて驚いた。
やはり伊那谷はガソリンが高い!全国的に見て高い長野県の中でも高いエリアです。

様子を見ながらビーナスラインを詰めていくと、プール平に巨大な無料駐車場があった。
ここからなら親湯入口はすぐだ。車をとめてここから歩くことに決定。駐車場にはトイレもあります。
自宅から二時間、標高1,300mほど。

6:50に歩き始める。
親湯入口からは、ビーナスラインを横切るところにある女神茶屋の登山口まで信玄棒道というのを辿る。武田信玄が川中島決戦に備えて作った軍用道路です。
「信玄棒道」という標識に騙され、親湯の手前で別荘地に誘い込まれたりした。信玄棒道というのは親湯の手前から続いているもよう。ま、地図をろくに見なかったのが悪いんです。

ルートに復帰して信玄棒道を辿る。
8:15、ビーナスラインに出たところが女神茶屋。手持ちのエアリアマップには何も書かれていないのですが、ここに立派な駐車スペースがありました。
静かな山歩きもここまで。ここからは人、人、人・・・です。
でも、山頂に着いてみてわかったのですが、南から登るこちらのルートはまだマシでした。ほとんどの人が北側から登ってきます。

なだらかな登りが続く。
この、山裾が非常になだらかなところがいかにも八ツっぽい。いつ見てもみごとな山裾です。このなだらかな山裾が別荘地なりリゾート地となっているわけです。
女神茶屋からしばらく登ったところからけっこうな急登になる。
森林限界を越え、岩が積み上がったところを登ると山頂。最後は、いったん北側にある山頂ヒュッテのほうへトラバースしてから登る感じ。
北側からの登山道と合流すると、これまでがなんだったのかというくらい人が増える・・・。

9:55山頂。
まずは山頂があまりに広いのでビックリ。大きな石がゴロゴロ転がっているだけの巨大な円形広場・・・こんなのはまったく予想していなかった。
ほぼ独立峰で、360度の眺望が得られそうなため山頂からの眺めを期待していたのですが、天気がいいにもかかわらず、これはちょっと肩透かしを食ったような感じ。
なぜかというと、まずは山頂が広すぎて、どの方角を見ても視界の小さくない部分を山頂が占めてしまうから。そして、どの山も微妙に遠い。南に連なる八ヶ岳だけは大きく見えるのですが、(私見ですけど)八ヶ岳というのは見る分にはまったく見映えのしない山です。
そんな中で一番目立つのは槍。この山だけは即座に同定できた。槍から穂高にかけての山塊がよく目立つ。
一方で南アルプスは、蓼科山の山頂から見ると山脈の体をなしていない。いくつかの山が不規則に林立しているようにしか見えない。仙丈だけはすぐに同定できたけど、その他については少し考えてから、「あ、あれがそうか」と思い当たった次第。
北には浅間山が見えるのだけれど、この山も最初わからなかった。浅間山は見慣れた上州側からだと、富士山のように均整のとれた形をしていて、当然のようにそんなのを想像していたのだが、蓼科山から見る浅間山はどうにも締まりのない山容をしている。「そういえば浅間は・・・あ、もしかしてあれか」とようやく気付いた次第です。
まぁしかし、それでも人が少なくて静かならば、印象もまた違ったのだろうけど、とにかく人、人、人で人だらけ。次から次に登ってくる。これにはもうげっそり・・・。

50分ほど滞在して山頂をあとにした。
同じ道を下るのもなんなんで、帰りは天祥寺原のほうから回ることにした。
蓼科山荘のある将軍平までは、北側の登山道と一緒なのでものすごい人です。登ってくる人も下る人もひっきりなしといったふう。山荘前にはグッズを売る店まで出ているから驚きだ。
一方で、将軍平で分岐に入ると誰一人いないという・・・まったく極端です。

紅葉にはまだ少し早い感じなんですが、それでも上部は一部で紅葉していて美しい。
滝ノ湯川まで沢を下り、天祥寺原から川沿いに下る。竜源橋(ここにも立派な駐車スペースあり)でビーナスラインを横切って信玄棒道を行くと、行きに歩いた道と合流する。
13:50にプール平の駐車場に帰ってきた。

朝のうちはまだそれほどでもなかったのですが、さすがにこの時間になると、天気のいい土曜日ということもあってけっこうな人出でした。
蓼科恐るべし!

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信玄棒道から見る蓼科山                        女神茶屋からしばらく登るとけっこうな急登になる

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上部は一部で紅葉していて美しい          この岩が積み上がったところの上が山頂

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北側からの道と合流すると極端に人が増える・・・          蓼科山頂!(2,530m)

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こんな山頂はまったく想像していなかった・・・めちゃくちゃ広い!

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右:南アルプス、左:八ヶ岳・・・どこを見ても山頂が目に入る    ヘリで小屋に物資を上げていた

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下りはいったん北へ・・・正面、浅間山(なんとも冴えない)     登ってくる人も下る人もひっきりなし

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分岐に入ると誰もいないという両極端                  天祥寺原・・・正面は横岳(北八ツのほう)の山腹

Trackback [0] | Comment [0] | Category [■ その他信州の山] | 2014.09.29(Mon) PageTop
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はじめての無雪期八ヶ岳・・・1day縦走

たぶん、無雪期の八ヶ岳に来たのは初めてだと思う。少なくとも西面から入ったのは初めてのはず。

本当はこの日、易老渡から日帰りで光岳に行く予定だった。
が、林道赤石線のゲートは何時に閉まるのかなと調べてみると、これまで時間通行止だった林道が、現在ずっと手前の北又渡発電所付近から終日通行止だということがわかった(涙)。8月の台風により路肩が崩落したためだ。
(H26・8・18~H26・12月上旬:車両通行止、H26・12月上旬~H27・4月下旬:全面通行止、詳しくは飯田市のHP参照のこと)

登山口まで車で入ることはできないから、これだとどこに安心して車をとめられるのかわからない。
光は却下。
でもせっかくだからと、あれこれ代案を検討してみた結果、マユミから出た案が八ヶ岳の縦走。美濃戸から入山し、主脈を縦走してまた美濃戸に帰ってくるというもの。
個人的にはあまり気が乗らなかったのだけれど、他にこれといった場所も思いつかず、まいっか、ということで行くことにした次第。

最初は気が乗らなかったけど、相変らず人の多さにはビックリしたけれど、この縦走はなかなかよかった。久しぶりにテンションも上がった。
何がよかったのかというと・・・
八ツにはこれまで冬しか行ったことがなかったわけで、冬に登っているルートが果たして無雪期にはどんな感じになっているのか、そのあたりのことに興味があり、実際に見てみたらテンションが上がった。
それから山行のボリューム。
この日の行動時間は10時間ほどで、楽すぎず辛すぎず、ボリューム的にちょうどよかったし、コースも変化に富んでいておもしろかった。
そして何より天気。
この日はスッキリ晴れて、今年行った山の中では一番だった。
北は槍、穂高はもちろん、鹿島槍~白馬の山塊もハッキリ見えた。角度的に山脈の体をなしていないが、南アルプスも見える。今年としては珍しく、中央アルプスも全部見えていたし、先日噴火した御嶽山は僅かに噴煙を上げていた(亡くなられた方のご冥福をお祈りします)。
富士山も浅間も、西上州や秩父の山々も・・・まさに360度の眺めが堪能できた。
やはり天気がいいとそれだけでテンションが上がる。

八ヶ岳は、岩が火山岩で脆く軟らかいから(それ以前に、それほどすごい岩壁があるわけではないから)、バリエーションルートは冬以外ほとんど登られない。
よって、冬以外知らないという人も少なくないのではないかと想像する。少なくとも自分だけではないはず。
無雪期にはどんな風に見えるのか、写真もたくさん撮ってきたので、主にそのあたりを中心にレポートします。

日付: 2014/10/10 金
ルート: 美濃戸口6:00 ~ 美濃戸山荘6:50 ~ 赤岳鉱泉8:20 ~ 硫黄岳(2,760m)9:50/10:10 ~ 横岳(2,829m)10:55 ~ 赤岳(2,899m)12:00/12:20 ~ 阿弥陀岳(2,805m)13:10/13:50 ~ 御小屋尾根下山 ~ 美濃戸口16:00

4:00に自宅を出発。蓼科山の時と同様、杖突峠経由で茅野へ。
さらに美濃戸口まで車を走らせる。
毎度ながら、原村あたりの八ヶ岳の裾野の広さとなだらかさには驚かされる。
畑や牧草地がゆったりと広がっている・・・知らない人に写真を見せたら、たぶん北海道と言っても信用するだろう。

6:00に美濃戸口に着いた。
車はそのまま赤岳山荘のあたりまで入っていけるのだが(冬はいつもそこまで入っていた)、今回は御小屋尾根を下ってくるつもりなので、美濃戸口に車を置いてそこから歩く。
駐車場には既に何台も車がとまっていてビックリ。歩く準備をしている人もちらほら。
駐車場はどうやら有料らしい。一日500円。
昔からそうだったっけ?まったく記憶にございません・・・。それとも単に、冬は山荘が閉まっていただけだったのだろうか・・・。

申し訳ないが一言言わせていただこう。
これはかなりぼろい商売だ。
このあたりの土地なんて、もともとはただ同然だったに違いない。それを車をとめるだけで一日500円。
駐車場は三段くらいになっていてかなり広く、人気の山であるからして、実際かなりの利用者があるに違いない。これは儲かってしようがない。
まぁそれはいいとして、納得いかないのはトイレだ。一日500円もとりながら、トイレまで有料(100円)ってのはやりすぎだ。
意地でも使わねぇわ、そんなトイレ・・・。

八ヶ岳山荘に駐車料金を払い、柳川沿いの道を歩く。途中、下から上がってきた車に何台か抜かれた。
赤岳山荘のあたりにある上の駐車場に着いてビックリ。そこにはさらにたくさんの車が・・・。
平日にしてこれか。こりゃ土日や三連休なんてどうなっちゃうのだろう・・・。
ハッキリとは確認しなかったけれど、駐車料金は一日千円と書かれていたような気がする。

その先の美濃戸山荘のところから、道は二手に分かれる。
北沢沿いは赤岳鉱泉へ、南沢沿いは行者小屋へと続き、冬なら目的のルートによってどちらかにベースを張ることになる。
山で言えば、硫黄岳に登るなら北沢を、赤岳や阿弥陀岳に登るなら南沢を行くことになる。
どちらを行っても小屋の近くまで展望はなく、単なるアプローチと割り切る修行の道です。
特に、北沢沿いは途中まで車の入れる林道になっているから、輪をかけてつまらない。

今回はひとまず硫黄岳へ向うので、北沢沿いを。
これはあとで気付いたのだけれど、美濃戸から入山する人の多くは赤岳へ向かうようである。必然的に多くの人が南沢を行くことになるから、北沢のほうは比較的人が少ない。
たまたまだけれど、北沢を選択したのは大正解だった。硫黄岳まで、車の割りに人と会わなかった。
毎度ながら、人の少ない山=いい山。ルートがどうとか眺めがどうとか以前に、これが重要。天気の次に大切。誠に単純明快だ。

美濃戸口から2時間20分ほどで赤岳鉱泉。
予想外に、赤岳鉱泉にもほとんど人がいなかった。テントが二張りだけ。この時季は、泊まりも行者小屋のほうが多そうである。
赤岳鉱泉まで来ると、横岳西壁の大同心、小同心がよく見える。無雪期に見ると、かなりショボイ・・・。
美濃戸中山の向こうには阿弥陀岳の頭が見え、北西稜がよく目立つ。

赤岳鉱泉から硫黄岳に向うと、最初に横切る沢が大同心ルンゼ。続いて、大同心稜の先で横切るのが裏同心ルンゼ。三番目、ショボイなりに最も水量があるのがジョウゴ沢。
そうそう見る機会がなさそうなので、三つとも写真に撮っておきました。

ジョウゴ沢を渡った先から硫黄岳への登りになる。
振り返ると阿弥陀岳。顕著な北西稜が真正面に見える。
顕著ではあるけれど、スケールはやはり小さい。
八ヶ岳はまとめて一つの山なんだなぁと実感する。そうでないと、個々の山の隆起があまりに小さすぎる。
深田久弥は「八ヶ岳」としてまとめて百名山に選出したけれど、たぶんそれが正解なんだと思う。

木がなく禿げた赤岩ノ頭まで来ると、オーレン小屋からの道と合流して若干人が増える。
一気に視界が開け、北アルプスが見える。
やはり一番目立つのは槍。槍~穂高の山塊は一発で見分けがつく。
さらにずっと北へ目をやると、鹿島槍。これも目立つ。下部が雲に隠れているせいか、一見すると独立峰のように見える。キレットを挟んで白馬や五竜が連なっている。

赤岩ノ頭あたりから眺める硫黄岳はユニークだ。
人工物に見える。稜線上に巨大なケルン(これは人工物)が等間隔に並んでいるのだけれど、それも相まって人が造った城塞にしか見えない。

硫黄岳の山頂で夏沢峠からの道が合流すると、人が一段と増える。
が、山頂があまりに広いので、ここではあまり気にならない。

山頂からの眺めは最高だ。
中央アルプスも全部見えているし、僅かに噴煙を上げる御嶽山もくっきり見える。
間違いなく山で今年最高の天気!
天気がいいとテンションが上がるし、この眺めは何時間見えていても飽きまい。
硫黄岳の爆裂火口は見事だ。垂直に立ち上がっていて、一見(ちょっとだけ)ギアナ高地のように見える。
本沢温泉のあたりから眺めると、この部分が見えたと記憶している。

ときに、前から思っていたのだけれど、八ヶ岳というのは全体的に稜線の類がハッキリしない。
顕著なのは阿弥陀の北西稜くらいではなかろうか。北稜も、北西稜ほど顕著ではないけど見分けがつく。
酷いのは赤岳だ。どれがどれだかまったく区別がつかない。
「主稜」などといいながら、硫黄のあたりから見ると、どれだかまったく認識できない。ショルダーリッジなど言うに及ばず、地蔵尾根すら識別できないからビックリする。
大同心や小同心も、背景に溶け込んでしまってよくわからなくなる・・・。

硫黄から主稜線を縦走する人は案外少ない(好都合である)。
主稜線の景観は一種独特である。火山岩のためか、お鉢回りをしているような気分になる。
人の頭より大きな火山岩がゴロゴロしているのだけれど、これらが全部噴火で飛んできたのかと考えると恐ろしい・・・。

横岳の手前から岩っぽくなってくる。ところどころスッパリ切れ落ちていて、こりゃ時どき誤って落っこちる人がいるだろうなと想像する。
これでもかというくらい鎖や梯子やロープが設置されているのだけれど、これらがむしろあらぬほうへ人を導いたり、滑落を誘発したりしているのではないかと思わなくもない。
どうでもいいけど鎖がありすぎだろ、これ・・・ちょっと鬱陶しいほどに設置されている。

横岳を越えると南側の視界が開け、初めて富士山が見えた。
美しい・・・独立峰で、どこから見ても均整のとれた形をしている。これほど美しい山も他にない。

地蔵尾根(間近に見ても尾根の体を成していない)と合流すると、極端に人が増える。
ありんこのように人が赤岳に群がっている様が目に入ると、さすがにちょっとウンザリする。
山頂までずっと岩場、鎖場だから、否応なく渋滞する。
タイミングを見計らって団体をパスしつつ、ちょうど正午に赤岳に登頂。
相変らず晴れているが、時どき下から雲が上がってくるようになった。
見ていると、文三郎尾根を登下降する人は少ないようだ。地蔵尾根をピストンする人が多い。

赤岳からは、西に折れて阿弥陀岳へ向う。
阿弥陀は赤岳より100mほど低く、赤岳から見るとずいぶん下に見えるのだけれど、八ヶ岳の中で一番見映えがするのは阿弥陀ではないかと思う。スッキリしていて、個々の稜線も目立つ。

文三郎尾根が分岐するあたりまで来ると、赤岳の西壁を望めるようになる。おなじみの光景だ。
さすがにここから見れば主稜は識別できるが、やはりショボイ。あまりにショボすぎる。そりゃまぁこんなところを無雪期に登る人はいなかろう。
ショルダーリッジもなんとなくわかるが、あまり自信はない。そのくらい顕著じゃない。

阿弥陀と赤岳の間は尾根が広くなだらかで、気持ちのいい場所である。
ホシガラスが何羽か、時どき滑空しつつ気持ちよさそうに飛んでいた。

中岳を越えると、阿弥陀への登り。
離れて見るとずいぶん急に見え、一寸これが一般道なのかと思ってしまうが、取り付いてみるとなんてことはない(一般道なんだからそりゃまぁそうなんだけど・・・)。
けっこうな登り返しに見えるのだけれど、これまた取り付いてみるとたったの15分で山頂に着く。
人間の目なんてあてにならないものだ。つくづくそう思う。

山頂からは諏訪湖が見えた。山の上からはじめて見た気がする・・・ちょっと感動。
だいぶ雲が出て、中央アルプスと御嶽が雲の上に浮いている。富士山は雲に隠れ、南アルプスも雲から出たり隠れたり。北アルプスが見えているのが奇蹟だ。
西の方角にやたら目につくスキー場は富士見パノラマだろうか・・・?

阿弥陀の山頂はまた、赤岳西壁のいい展望台となっている。非常によく見渡せる。
ようやくショルダーリッジも浮かび上がるようになる。
ま、いずれにせよ主稜もシュルダーリッジも、かなりショボく見えるのは間違いない。
あとから登ってこられた方とお喋りをしたり、山頂でずいぶんのんびりしてしまった。

阿弥陀からは御小屋尾根を下る。
御小屋尾根を登下降する人はかなり稀であろう。ここからは貸切状態となり、八ツとは思えない静かな山を満喫できる。
最上部だけ急だが、そのほかはなだらかで登り返しもなく、実は下降に最適ではないかと思うのだけれど、まぁ歩く人は少ないでしょうね。

御小屋尾根はその昔、アイスで広河原沢左俣を詰めたとき、下山に使ったことがある。
尾根が急峻になる直前に一ヶ所だけ、木の生えていない禿げた場所があり、そこから尾根に上がったのを覚えている。
冬はそこだけ雪が飛ばされていて、無雪期の今と変わらないガレ場となっている(凍っているぶん、冬のほうが登りやすい)。

広河原沢左俣のときはけっこうくたびれてしまい、舟山十字路までの御小屋尾根の下りがずいぶん長く感じられたが、今回はあっという間だった。
非常に歩きやすい。尾根がなだらかだし、カラマツの落ち葉が積もっているのもソフトで脚に優しい。

御小屋山の分岐を美濃戸方面に行くと、一時間ほどで美濃戸口に着く。
最後は美濃戸の別荘地に下ろされ、迷子になりそうになる。道路脇に立つ標識だけが頼り。
バカみたいに巨大な別荘がズラリと並ぶ。美濃戸に限らず別荘地に建つ別荘って、どうしてこんなにデカイ必要があるんだろうってのが多いのだけれど、ここのはひときわデカイ気がする。
いったいどんだけ金があるんだ・・・。
こんな都会の団地と変わらないところに別荘を建てるのは自分だったらご免だが・・・誠に羨ましい限りだ。

16:00に美濃戸口に下山した。
明日から三連休ということもあるのだろうか、茅野まで行き会う車も他県ナンバーばかり。
八ヶ岳の裾野というのは相変らずの別世界、一種独特な雰囲気がある。

P1200254_サイズ変更          P1200257_サイズ変更
無雪期の裏同心ルンゼ(バックは大同心と小同心)       そしてショボイなりに最も水量のあるジョウゴ沢

P1200263_サイズ変更 IMGP8491_サイズ変更
僅かに噴煙を上げる御嶽山                     赤岩ノ頭まで来ると視界が開ける・・・硫黄岳は人が造った城塞にしか見えない

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北アルプス(槍~穂高のあたり)                   赤岳(中央)と阿弥陀岳(右) 大同心や小同心は顕著でない

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広い硫黄岳山頂(2,760m)                       硫黄岳の爆裂火口・・・ちょっとだけギアナ高地っぽい

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完全にお鉢回りをしているような気分                猿岩じゃなくて大同心ノ頭の後頭部

IMGP8504_サイズ変更 P1200290_サイズ変更
南側の視界が開けると富士山が見える               大同心南稜

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横岳(2,829m)                      正面赤岳・・・だいぶ雲が上がってきた

P1200298_サイズ変更 IMGP8517_サイズ変更
赤岳山頂(2,899m)                  阿弥陀へ向かう・・・八ヶ岳で一番見映えがするのは阿弥陀ではなかろうか

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ホシガラス・・・ようやく写真に撮れた                文三郎尾根の分岐付近から・・・なにがなんだかよくわからない赤岳西壁

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ここまで離れてなんとなく識別できる・・・まったく顕著じゃないけど北峰に突き上げる中央のリッジが主稜、右の「く」の字に曲がった比較的顕著なのは南峰リッジ

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大同心と小同心が小さな角のように突き出ている(下に行者小屋が見える)

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阿弥陀の登り                               阿弥陀山頂(2,805m)

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阿弥陀の山頂から・・・よーく目を凝らすと三本のリッジが見える(笑)
右から、「く」の字に曲がった南峰リッジ、その左、北峰に突き上げる主稜は段違いの二本のリッジになっている、さらに左、肩に突き上げるショルダーリッジは二俣になっている

P1200330_サイズ変更
南峰リッジと主稜上半部のアップ

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こちらは顕著な御小屋尾根・・・尾根の左側が広河原沢左俣、真ん中に見える木のない禿げた場所から尾根に上がれる

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Author:nakappie
1970年生まれ。妻と二人信州伊那谷在住。
2009年10月~2013年5月の旅を記録するために”なかっぴー通信”をスタートさせました。
現在は伊那谷にて節約生活をしながら充電中。
2014年4月、ブログのタイトルを”なかっぴー通信NEO”に改めました。
信州伊那谷より~旅のこと、山のこと、自転車のこと、そして田舎暮らしのことなどなど・・・気ままに綴ってゆきます。
”おもしろきこともなき世をおもしろく”そんなふうに生きていけたらいいですね。

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