デルフト

2011/6/24 金
次の行き先はオランダ南部のブレダに定めた。大都市であろうロッテルダムを避けた形だ。アントワープから直通の列車はなく、国境にほど近いローゼンダールで乗り換えることになる。
9:00に宿を出てアントワープ中央駅まで歩く。
ローゼンダールまでは電車で30分ほど、運賃は7.8E。10:00発のアムステルダム行きに乗るはずだったのだが・・・。
22番線のホームで待っていると、9:45過ぎという微妙な時間に(タイミング悪く15分ほど遅れたものらしい)、駅に張り出されている時刻表には載っていないアムステルダム行きの別の列車が入ってきた。
そんなこととは露知らず、アムステルダム行きだし、ずいぶんいい列車だなと思いつつ何の疑いもなく列車に乗り込んだ。
5分もすると列車が発車したので、なんか変だなという気はした。
そのうち検札に回ってきた乗務員に告げられて、はじめて列車を間違えたことを知った。なんでもプラーベート・トレインということらしい。どういったわけで時刻表にない列車が運行しているのかは知らないが、まぁ日本で言えば新幹線のようなものだ。
この列車はローゼンダールには止まらず、次の停車駅はロッテルダムだと言う。あちゃ~。
助かったのは、イタリアのときのように罰金だの追加料金だのと言われなかったことだ。事情を察してくれた乗務員は、「ロッテルダムで新しい切符を買いなさい」と言っただけで列車に乗せてくれた。感謝!感謝!

果たしてたったの30分でロッテルダムの中央駅に到着。駅は驚くほど小さかった。人も疎らで、オランダ第2にしてオランダ最大の産業都市とはとても思えない。
町並みも思っていたほど大きくはなく、あまり気後れせずに済む。近代的なビルが多いのは、第二次大戦中に町が徹底的に破壊されてしまったためだ。町の一部に残る中世風の建物も戦後に再建されたものである。
ロッテルダムまで来てしまうと、特にブレダに行く理由はなくなった。戻るのもアホらしいし。
ひとまず町に出てみる。近くのインフォメーションで2軒のYHの場所を教えてもらい、その一軒に向かって歩き始めたが・・・。
よく考えたら特にロッテルダムに泊まるメリットもない。観光するにしても、もっと雰囲気のいい近郊の町に泊まってそこから日帰りすれば事足りる。
地図とにらめっこし、新たな目的地をデルフトに定めた。

降り出した雨をやり過ごしてから中央駅に戻って電車に乗る。切符は駅にふんだんにある券売機で買える。デルフトまで2.9E。
(おそらく近距離だけであろうが)オランダの電車も人を完全に信用したシステムになっている。改札はもちろんないのだけれど、加えてベルギーでは豆に回ってきた検札も一向に回ってこない。その気になればキセルはいくらでも可能な感じだ。

ここへ来て、今回ヨーロッパに来て以来はじめて青空が望めた。やっぱ晴れると気持ちいい。
時々丘の見えていた地形は、オランダに入ってまっ平らになった。オランダは国土の1/4が海面下にある。実際高度計に表示させるとマイナスを示す。
オランダの風物と言えばまずは風車であろうが、この風車も粉引きに使われていたのはよく知られているとおりであるが、実はそれ以上に重要であったのは排水の用途である。
低地オランダの歴史は常に水との闘いで、風車で揚水した水を周辺に築いた土手の外に排水し続けたわけだ。
そこまでしてこれほどの国を築いてきたオランダ人の忍耐強さにはすごいものがある。が、オランダの印象として暗く悲壮感の漂ったところはまったくなく、実際ベルギーから来てみると、明るくてオープンな印象を受ける。

他にオランダと聞いて連想するものはチューリップに木靴、運河、チーズ、ゴッホにレンブラントといったところだろうか。
でも、実際にオランダに入ってみて即感じることは「巨人」と「自転車」ということだろう。
巨人・・・とにかくオランダ人はデカイ。旅先で会うオランダ人も皆デカかったけど、実際来てみるとやはりデカイ。嘘かホントか成人の平均身長は190cmに近く、世界一のノッポ国であるらしい。酪農王国で乳製品の消費量が多く、カルシウム摂取量が非常に多いことが骨格形成に影響を与えているらしい。
とにかくデカイ。2mくらいありそうなやつがそこかしこにいる。
男はともかく、女の人が大きいことが特に目につく。骨格からして完全に別物だ。ここまで来ると、明らかに別の種族という気がする。

そして自転車・・・間違いなく世界一の自転車王国であると思う。
オランダはイタリアやフランス、ベルギーと並ぶ自転車大国である。それもツールやジロといったレースでの戦績はさておき、生活との密着度といった見方をすれば間違いなく世界一であると思う。
ベルギーなどでももちろん自転車はたくさん走っているけど、オランダの場合はもう桁違い。老若男女を問わずとにかく誰も彼もが乗っている。人口より自転車の数の方が多いというのも肯ける。
町の主役は歩行者でも、ましてや自動車などでもなく、明らかに自転車。車の走れる道路より自転車道の方が間違いなく多い。ここまで徹底して自転車道の整備されている国というのもはじめてだ。
昨今日本でも健康や環境といった観点から自転車が流行っていて、町中でスポーツ・ライド的なロードバイクやMTBなんかをよく見かけるようになったけれど、オランダのそれはほぼ100%実用車。日本のママチャリとは比較にならないほど頑丈な造りになっている。もっともこのくらいしないと、ガタイのいいオランダ人のパワーに耐えられないのかもしれないけれど・・・。
日本のように前かごはつけておらず、どの自転車も後ろに振り分けバッグを装備しているところがヨーロッパっぽい。
ベルギー人に言わせると、「オランダ人はケチだから自転車に乗っている」ということになるみたいだけど、生活環境が大きく影響していることは明らかだ。
運河沿いに張り巡らされた狭い道では自転車が最も効率的だ。アップ・ダウンのないまっ平らな国土も拍車をかけているに違いない。
旅の道具としてうってつけかもしれないオランダの自転車。ぜひオランダで自転車を買いたいなぁ・・・。

さて、ろくに駅名も確認せずに電車に乗ったため、車内放送に釣られて一つ手前のデルフト・ツイード駅でいったん降りてしまった。一本後の電車に乗りなおし、ようやくデルフトに到着。
デルフトは町中に運河の張り巡らされた可愛らしい町。画家のフェルメールの生まれ故郷で、フェルメールが「デルフトの眺望」に描いたような景色が今も残っている。
宿はインフォメーションで紹介してもらった。ちょっと遠慮気味に「一人20E以下で・・・」とお願いしたら、「デルフトではこれが唯一のポシビリティ・・・」と言って一軒の家を紹介してくれた。B&Bをやっている家らしい。ツーリスト税なるもの4E込みで、一泊44E。

16:00以降にチェックインできるということで、ひとまずインフォメーションに荷物を預けて町中を散策。
マルクト広場に面して新教会と市庁舎が建っている。市庁舎には結婚式の一団が次から次へとやって来る。どうやらウェディングドレス姿で市庁舎に婚姻届を出し、そのまま広場周辺の美しい市庁舎や教会、運河の畔で写真を撮るのが恒例らしい。
市庁舎の前にはベントレーやロールス・ロイスのリムジンが常に止まっている。

運河の畔に一軒の自転車屋があった。例によってのぞいてみる。
この店には中古車も置いてあって、アルテグラで組んだトレックのロードバイク(アルミ)の中古が100Eちょっとで出ていた。ここが日本だったら即買いの逸品だ。さすがに強度的にロードバイクで旅できそうにはないので、グッと我慢。
新車だけど、「これだ!」というツーリング・モデルも飾られていた。
ぜひオランダ製の頑丈な自転車が欲しいなぁ・・・。アムステルダムあたりで安いのが見つかるといいけど。

16:00過ぎに宿にチェックイン。線路を挟んで反対側の、感じのいい静かな運河の近くにその家はあった。
B&Bとして開放している部屋が二部屋あり、隣の一部屋には長期滞在と言うか半分住んでいるドイツ人が入っていた。
明るくて清潔な感じのいい家で、キューバでの民泊を思い出す。

一息ついて買い物に出る。
アントワープのアウトドア・ショップでようやくガスを手に入れ、自炊が可能になったのだ。
スーパーは品揃えが豊富で、旨そうなものがいっぱい。量だけあるけど自分らの欲しいものは何一つ売ってないウォルマートなんかとは違う。
さすがにヨーロッパの人たちは旨いもの食ってるわ・・・。先進国でもアメリカやメキシコあたりとは明らかに方向性が違う印象を受ける。効率ばかりを追い求めていない。

それにしてもこの自転車はすごいな・・・。しゃかりきに自転車を漕いでる姿に好感が持てる。面白い国だ。
ヨーロッパでもう一つ驚かされるのは車の縦列駐車の腕前だ。運河沿いにあるレンガ敷きの狭い道。このスペースにいったいどうやって車を入れてるんだ?ってところにスッポリと車が収まっている。
もっともイタリアやフランスといったラテン系の国では明らかにバンパーで押していたりするけど、ベルギーやオランダはちょっと事情が異なっているようである。日本に劣らず車はどれもキレイだ。

24jun2011 マルクト広場の新教会と 24jun2011 その対面にある市庁舎
マルクト広場の新教会と         その対面にある市庁舎

24jun2011 デルフトの眺望 24jun2011 東門の前では時々レガッタの練習をしている
デルフトの眺望                      東門の前では時々レガッタの練習

24jun2011 運河のある風景 24jun2011 旧教会の塔は傾いている
運河のある風景                      旧教会の塔は傾いている・・・

24jun2011 いろいろな自転車がある 24jun2011 そしてこの縦列駐車のテク・・・だいたい一発で決める
いろいろな自転車がある                 この縦列駐車のテク・・・だいたい一発で決める

2011/6/25 土
一泊でアムステルダムに移動しようと思っていたのだが、朝起きると雨。うぅぅむ、気分が萎える。ただでさえ移動続きで疲れているというのに・・・。
休養も兼ねてデルフトにもう一泊することに決定。
15:00過ぎまで雨が降っていたので、宿でまったりと静かにしていた。
夕方買い物に出ると、マルクト広場の近くに土曜市が出ていた。ベルギーやオランダの屋台はトレーラーになっていて、終わるとまたトラックで引いて帰っていく。市はだいたい17:00にははけてしまう。
雨の運河ってのも、出歩くのは億劫だけれど、それはそれでまた別の味わいがある。

ヨーロッパの国々は小さいのだけれど、それぞれに特色があるところがすごいと思う。ちょっと隣の国に入るだけでガラッと雰囲気が変わる。長い歴史の成せる業だろう。
国がどのくらい小さいのかと言うと、だいたいオランダが九州と同じくらい、ベルギーが四国の1.5倍ほど、ルクセンブルクに至っては神奈川県とほぼ同じ大きさしかない。
アマゾン川の河口にあるマラジョー島は九州ほどの大きさがある。アマゾン川の河口にオランダがスッポリ入ってしまうと考えると、オランダが小さいと言うべきか、アマゾン川が巨大すぎると言うべきか・・・。

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アムステルダム

2011/6/26 日
今日は天気がよさそう。
朝食を食べて10:00前に宿を後にする。自転車を求め、一路アムステルダムへ。
オランダの鉄道は切符を自販機で買った方が安い。窓口で買うと毎回0.5E、手数料のようなものを取られる。が、この自販機はコインしか使えない・・・。
近距離ならともかく10Eを超えるようなところだと、癪だけど毎回窓口で買わざるを得ない。
デルフトからデン・ハーグ、ライデン、ハーレムといった町を経由してアムステルダムまで1時間弱。運賃は12E。

天気はいつしか快晴となった。晴れたら晴れたで30℃くらいになるからけっこう暑い。と言っても日本では既に38℃とか言っているから、それに比べれば屁みたいなもんだ。日差しは強くても湿度が低くカラッとしているから、不快感はそれほどない。
で、アムステルダムだけど、着くなり「なんだこの人の多さは・・・」って感じ。
立派な造りのアムステルダム駅の前にインフォメーションがあったのだけれど、客の列ができている。人の多さを見越してか、銀行のような整理券の発券機まであったりする。
窓口であれこれ聞くのは諦めた。市内の地図も有料だったので、運河クルーズの経路が描かれた簡単な地図だけもらって宿探しに向かう。

問題は宿だ。週末は一年中満室と言われるアムステルダムの宿。しかも宿代が高くて死にそうだ。
タイミングの悪いことに今日は日曜。金曜とか土曜よりはマシだと思うのだが、それでもやはり混んでいた。まぁこれだけ観光客が押し寄せているのだから無理もない。
YHは何軒かある。最初に当たったところは満室だったけれど、運良く2軒目に当たったところが空いていた。
その名もStayOkay。
驚くことなかれ、ドミが1ベッド32.5E!二人で65E!それも12人部屋だぞ、おい。1年8ヶ月前に旅立って以来の最高値記録をあっという間に更新。それも12人ドミで・・・。
しかもキッチンはない。まぁこんなにたくさん人の泊まっている宿にキッチンがあったらパニックになるかもしれないけれど・・・。

こんなとこではうかうか自転車も探しておれん。
14:00まで部屋に入れないと言うので、ロビーで安宿のネット検索(当然と言えば当然だけどWiFiはフリー)。それによると、32.5Eというのは決して高いわけではない。今どきのアムスの安宿の相場ってところ。恐るべし、アムステルダム。それでも次から次に人が来るから、ホントに恐ろしい。

そんな中で1箇所だけキャンプ場を見つけた。が、地図を見るとけっこう距離があるような・・・。
まぁメトロで行くんだからそんなに時間もかかるまい。そう思って後ほど行ってみたが、最寄のSpinnerij駅(終点の二つ前の駅だった・・・)までアムスから40分もかかった。
メトロは運賃も高く、1回2.6E。詳細はわからないのだが、1時間以内の使用に制限されているっぽい。1時間以内なら何度でも乗り降りできるのかも。
メトロと言っても、アムスの中央駅からしばらく行くと地上に出る。地上に出てからの駅はプラットフォームがあるだけの無人駅だから、この区間だけに使うのであればこれまたいくらでもキセルが可能なシステムだ。しかし残念ながら、少なくとも中央駅は自動改札で、切符がないと通り抜けできない。

ようやく辿り着いたSpinnerijは、工場以外何もないところだった。駅前にキャノンの大きな工場があり、他に目につくものと言えば車のディーラーくらい。
はて?キャンプ場は・・・。
日曜だからか道行く人もほとんどいないし、自転車もけっこうな速度で走っているからちょっと止めづらい。
ようやく家族で自転車に乗ってた一家に場所を教えてもらった。駅から2kmほどらしい。
メトロに乗りながら「こりゃないな・・・」と思い始めていたのだが、これで完全になくなった。いくら宿泊費が安くても(ドミのロッジが一泊13E、テント泊の料金は不明)、これじゃアムスに滞在する意味はまったくない。メトロの運賃も馬鹿にならないし・・・。
そうは言ってもお金をかけてせっかく来たのだから、見るだけ見てみることにした。人に道を尋ねながら歩くこと30分、ようやく辿り着いたキャンプ場は静かな森の中にあった。落ち着いた雰囲気の、県民の森とでもいった感じのやたらと大きなキャンプ場で、のんびり週末を過ごそうというキャンピングカーを引いた人たちでけっこう賑わっていた。

ベンチに腰掛けてため息をつき、アムスにとんぼ返り。
それにしても・・・いったいなんなんだ、アムスのこの人の群れは。正直な話、なんでこんなにたくさんの人が集まるのか意味がわからない。オランダには他に綺麗な町がいくらでもありそうなものだが・・・。

夜になってマユミと作戦会議をし、明日は午前中にアムスの自転車屋を見て回り、その後アムスの南東にあるアーネムに移動することにした。
今日町中を歩き回った感じでは、そもそも自転車屋ってものがなさそうではあるのだが・・・。

26jun2011 到着したアムステルダム中央駅 26jun2011 美しい町並みであるが・・・
到着したアムステルダム中央駅            美しい町並みであるが・・・

26jun2011 どこも人だらけ 26jun2011 特に駅近くの通りは凄まじい人ごみ
どこも人だらけ                       特に駅近くの通りは凄まじい人ごみ

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アムステルダム ~ アーネム ~ ユトレヒト

2011/6/27 月
甘かった。アムスで腰を据えて自転車を探そうと思っていたのだが、完全に甘かった。
宿代が高過ぎるってのもさることながら、アムスの中心部には自転車屋ってものがほとんどなかった。
宿の人とか商店の人なんかに聞きまくったが、ほとんど自転車屋がない。場所を聞いて行ってみた自転車屋はどこもあまりに小さく、どこも閉まっていた(月曜定休のところが多いらしい・・・)。
市場には中古自転車を扱う店もあるのだが、そこにも目ぼしい品はなし。
はい、アムス終了!

アムスでは中国人がやたらと目についた。定住している人も多いし、団体の観光客もたくさんいる。駅近くの一等地に中華街と言っていいほどのエリアもある。
住むのに高そうなこんなところで商売してるって・・・スゲーな、中国人は。

10:00過ぎの電車でアーネムに移動。ユトレヒト経由でアムスから1時間ほど(15.2E)。
電車は混んでいて、ユトレヒトを過ぎるまで座れなかった。今日も晴れて暑い!

アーネムは映画「遠すぎた橋」の舞台となった町。そんなこともあるけど、ここへ来たのはひとえに自転車屋を求めて。大きな町はかえってダメだろ、ってのをアムスで悟ってちょっと小さめの町に来てみたわけだ。
駅が工事中だったため右往左往して線路の反対側へ。まずはインフォメーションで情報をもらう。安宿と言えばYHが一軒、それもアムスで泊まったのと同じStayOkay(大手のYHグループでオランダ中に何軒かある)。しかも駅から歩いては行けないほど遠い。
そもそも自転車屋がないのなら滞在する意味もないので、ひとまず自転車屋の場所を聞き、ザックを背負ったまま行ってみた。
途中ショッピングエリアを通るのだが、そこには1軒の自転車屋もなかった。教えてくれた自転車屋はショッピングエリアを抜けた先にあるのだが、インフォメーションの人が言っていた通り月曜は定休日だった。
外からのぞいてみたが、この店も小さく目ぼしい自転車がありそうにない。
はぁ・・・いったい何やってんだろ・・・。
何もしてないのに宿泊費と移動費だけでお金が飛んでいく・・・。
次はどうする・・・マユミと相談してユトレヒトへ戻ることに。ここならもしダメであってもドイツに抜けることができるし、デルフトに戻ることもできる。ユトレヒトがダメならドイツに抜けちゃうか、さもなくばデルフトに戻ってこの前見た自転車屋でちょっと高くても買っちゃうか。とにかく移動と宿泊をしているだけでどんどんお金が嵩んでいくから、早いところ見通しを立てないと・・・。

アーネムからユトレヒトまで30分ちょっと(9.9E)。
げっそりと疲れた目にも車窓から見るオランダの風景は美しかった。緑の中に縦横無尽に走る水路、水路、水路・・・。これだけ水の流れている国(実際には流れはないけど)ってのも他にないだろうな。

ユトレヒトはオランダ第4の都市。そこが引っ掛かった。第4って言うと、日本だと福岡あたりになるのだろうか・・・。
先ほどアーネムに行くときもチラッと見たけど、駅前にはビルが建っている。駅はショッピング・モールのようなものに接続していて、重荷を背負って駅から出るのも一苦労だ。
またまたダメかも・・・ダメでも時間は既に16:00過ぎ、どちらにしても今日はユトレヒトに泊まろう。そう話しながらどうにかこうにかインフォメーションに辿り着く。
早速安宿について尋ねると、近くに2軒あった。そのうちの一軒に電話してもらうと、ラッキーなことに泊まれる。しかも一人一泊16E(もちろんドミ)。安い!
人間の感覚というのは単純だ。ヨーロッパに来て1週間ほど。既にドミの一泊16Eを安いと感じている。この前までカンクンの一泊100N$(700円ほど)を高い!高い!と言ってたのが嘘みたいだ。
いずれにしてもアムスの半額で泊まれる。これはデカイ。

場所を教わって行ってみた宿は自分らにとって5☆だった。もちろん豪華なわけではなく居心地が5☆。ドミなのに5☆。ドミの中ではこれまでで一番かも。
テーブルのある広い共用スペース(と言うか自由に使えるカフェ)、感じのいい中庭、キッチンは使えるし(午前中は除く)、トイレとシャワーも十分な数があるし、近所にはスーパーもある。何より宿の人が皆親切だし、(これがけっこう重要なのだが)うるさい客がいない。大騒ぎをしたり大声で話をするような人がまったくいない。何と言うか大人の客(年齢ではなく)しかいない感じ。とにかく奇跡的に居心地のいい宿だ。キッチンが昼からしか使えないのだけがちょっと残念。
宿の名はStrowis。

近くの自転車屋を教えてもらって早速行ってみた。
レンタルもやっている店で(オランダはレンタルバイクも多い)売り物はそんなになかったけど、「最悪これでもいいか」ってやつは見つかった。アルミのクロスバイクで520E。
店の人の感じもいいし、キャリアとかフェンダーを着けりゃこれでもなんとかなるだろ。
ユトレヒト・・・期待大。
駅に降り立ったときはどうなることかと思ったけど、駅からちょっと離れたら落ち着きのある素敵な町だった。
宿代は安いし連泊もできそうだし、自炊もできるし、ユトレヒトに腰を据えて自転車を探すことにしよう。

27jun2011 落ち着きのあるユトレヒトの町並み 27jun2011 ドーム教会の塔
落ち着きのあるユトレヒトの町並み           ドーム教会の塔

27jun2011 自転車道を疾走する人たち 27jun2011 和風フランってのはどんなんだ?
自転車道を疾走する人たち               和風フランってのはどんなんだ?

27jun2011 ヨーロッパではけっこうポピュラーなウサギの肉・・・背を伸ばすと驚くほど胴が長い
ヨーロッパではけっこうポピュラーなウサギの肉・・・背を伸ばすと驚くほど胴が長い

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ユトレヒトで自転車探し

2011/6/28 火
今日からユトレヒトで腰を据えて自転車探し。
この町は実に居心地がよく、そして歩いて行ける範囲に驚くほどたくさんの自転車屋がある。自転車を探すにはうってつけの町。
宿のおっちゃんに自転車屋のことを聞くと、あちこちたくさん教えてくれた。あっちがいいとかこっちがいいとか、あの店が安いとか、あの店には中古自転車があるとか。
意気揚々と早速出かけてみる。

地図にマークしてもらった情報を頼りに、結局今日は8軒の店をハシゴした。
扱っている商品は店によりピンキリだが、どこも店の人の感じがよくて好印象。明るく気さくで押し付けがましいところもなく、気軽に相談に乗ってくれる。
中古車なら50Eくらいから手に入り、当然ながらハイエンド・モデルはそれなりの値をつけている。
スポーツ・ユースの高級車は、それでも日本で買うよりはかなり安い。ヨーロッパという地の利があってヨーロピアン・ブランドのフレームを安く買えるというのが第一。それから、無闇にやたらと高いパーツをアッセンブルしないということもあるかもしれない。
見ていると、シマノのデュラエースとかXTR、カンパニョーロのレコードといったトップエンドのコンポなんてほぼ皆無。オランダの人たちは分相応のパーツを使っているようだ。
考えてみりゃデュラエースとかレコードとかカーボン・ディープリムのホイールとか、そんなものは自分らレベルのホビーレーサーには宝の持ち腐れに違いない。とは言っても所有したい欲望からついつい買っちゃうんだけどねぇ・・・。

今日行った店の中で特に印象深かったのは、スポーツ・ユースの高級バイクを扱うスネルという店。スネル一家の経営するフレーム・ビルダーの店で、前に住んでた群馬で言うならタキザワのような店だ。
自社ブランドであるSNELの他にキャノンデールやキューブ、サーリーといったブランドも扱っているが、何といっても白眉なのはSNELだ。
ロード・レーサーやMTBにはそれほど強烈な魅力は感じなかったが、スネルの素晴らしいところはツアー・バイクのラインナップが多彩なこと。材質がアルミかクロモリか、サイズが28in(700C)か26inかで8種類ものラインナップがある。
素敵だ。魅力的だ。特に28inのクロモリ・フレームってのが・・・。
この手のバイクは日本では商売にならないから、昨今では探すのも難しい。
せっかくオランダにいるのだから、どうせならダッチ・ブランドのバイクが欲しい。ユトレヒトが本拠地のスネルのバイクには、ヘッド・チューブに"SNEL"とともに"UTRECHT"のロゴが輝いている。
欲しい・・・ほとんど一目惚れの勢いで衝動買いしてしまいそうになる・・・ところを今日のところはグッとこらえた。
ちなみにお値段は、低グレードの4モデルが(材質とサイズによらず)LXのアッセンブルで1,750E、高グレードの4モデルが同じLXのアッセンブルで2,250E。
決して手の届かない価格帯じゃないところがまた悩ましい・・・。

26inにするか28inにするか・・・これは難しい選択だ。
おそらく世界中で手に入りやすいのは26inの方。ヨーロッパにいる分には28inで何の問題もないが、ヨーロッパ以外の状況が不透明だ。
が、乗っていて楽なのは明らかに28in。MTBの生みの親ゲーリー・フィッシャーも言っている通り、MTBが26inでなければならない理由も実のところないのだ。たまたま当時アメリカで一番入手しやすかったのが26inで、それがそのままスタンダードになってしまったに過ぎない。
どちらにしてもパーツ共用のことを考えると、自分のバイクとマユミのバイク、少なくとも2台のサイズは合わせておきたい。

28inクロモリ・フレームの"SAFARI"というモデルを試乗させてもらった。
いいです、このバイク・・・フレーム・サイズがピッタリだったこともあり申し分なし。今すぐ買ってしまいたい衝動に駆られる・・・。
惜しむらくは、今からオーダーすると完成するのに6週間もかかってしまうということ。フレームの塗装をベルギーでしているらしいのだが、ちょうど3、4週間の夏休みに入ってしまったとかで・・・。
とてもじゃないがそんなには待てん。
もちろん店に置いてある吊るしのバイクを買うことはできる。ちょうどサイズの合うバイクもあったことだし・・・。
が、高い買い物であるからして、どうせ同じ金を払うなら好きな色のフレームをオーダーしたい。モス・グリーンのフレームがとてもいかしてたし・・・。
悩ましいところだ。いっそのこと完成車の店頭販売だけであったなら、コイツを買っていたかもしれない。

スネルの斜め前にある自転車屋にも気になるバイクがあった。
職人気質の気さくなおっちゃんの切り盛りしているBANIERHUISという名の店で、ハイエンド・モデルと町乗りバイクの両方を扱っている店だ。
見つけたバイクはガゼールというダッチ・ブランドのカトマンドゥというモデル。アルミ・フレームのツアー・バイクで、コンポはXT。定価1,500Eの現品処分価格が699E。
マユミが試乗させてもらったが、コイツも申し分なし。フロント・サスを装備している点が唯一気になる点。

自転車屋巡りは楽しい。
普段購買意欲をそそられることなど滅多にない自分であるが、おおいにそそられる・・・。
夢いっぱい胸いっぱいの状態で宿に帰った。一晩考えてまた明日ということで・・・。

それはそうと、忘れないうちに世界一の自転車大国オランダの自転車事情についてメモしておく。

(1) 道路環境はすごいものがある。この国では明らかに自転車が主役だ。自転車道は自動車道より多く、そしてどこまでも快適。大通りを除けば、併走する自転車道と自動車道の道幅は変わらなかったりする。
で、道路を横断するのにかなり気を使う。センターラインのある車道だと両側に自転車道があり、合わせて4車線分横断しているような感覚だ。
車道を渡ってボケ~っとしていると、自転車に轢かれかねない。いや、冗談抜きでホントに・・・。
ちなみに、原付は自転車と一緒に自転車道を走っている。それがルールらしい。まさにその名の通り原動機付き自転車なのだ。

(2) 日本のようにテレテレ自転車に乗ってる人はほとんどいない。老若男女を問わずけっこうな速度で走っている。数も数だから、時々ツール・ド・フランスのプロトンでも見ているかのような気がしてくる。
皆さん姿勢もよくて、間違ってもガニ股でダルそうに漕いでいるような人はいない。オシャレをした女の人が背筋を伸ばしてシャーッと流している姿はどことなく微笑ましい。誰も彼もがそんな感じだ。
ルールはよく守られているし、手信号も多用している。さりげなく右を指したり左を指したり、停止の合図をされたりすると、これまたツールのプロトンでも見ているような気分になる。
厳密に言えば日本でも自転車は軽車両で、もちろん交通ルールもあるわけであるが、日本で自転車に乗っていて交通ルールを意識することなどまずないだろう。誰しも好き勝手に乗っているに違いない。
が、オランダではそうはいかない。何よりルール通りに走らないと危険である。命に関わる。
自転車道も走る方向が決まっていたりするし(つまり一方通行)、自転車も進入禁止の道があるし、自転車用の信号もあるし、基本的に車道や歩道は走れないし。

(3) 走っている自転車、売られている自転車は圧倒的に実用車が多い。所謂日本で言うところのママチャリのような自転車だ。
違っているのは圧倒的に自転車が丈夫なことと、キチンとポジションを合わせていること。
日本の安いママチャリはサドルの高さを変えるくらいしかできないが、オランダの実用車はほとんどがステムの角度も変えられる。しかもフレームのサイズが豊富で、皆さん自分の体に合った自転車に乗っている。

(4) 走っている、売っているのはほとんどが自国ブランドの自転車で、他国のヨーロピアン・ブランドを含め外国ブランドの自転車はあまり見かけない。
ガゼールやバターブス、ヤン・ヤンセンなど、オランダにはおそらく10社くらいの(比較的大手の)ブランドがある。中でもガゼールとバターブスのシェアは圧倒的だ。オランダ自転車界のトヨタとニッサン、と言うかトヨタが2社あるくらいの勢いで走っている。オランダに縁のあるコガ・ミヤタもたまに見かける。

(5) 小さな子供の乗せ方も様々。前後にチャイルド・シートを着けて乗せてる人もいれば(それでもフラフラと危なっかしい人は見かけない)、以前写真を載せたような前輪と後輪の間にネコ(作業に使う一輪車)のような箱の着いた自転車もあるし(これだと並んで二人乗れる)、トレーラーを引いてる人もいる。
ハンドルの前に屋根付きの巨大な箱を装備した三輪車なんてのもあるが(やはり子供が三人くらい乗れる)、これなどやってることは中南米の国々と変わらない。変わらないけど、こういう高度に整備された環境の中で見るとオシャレに見えたりするから不思議だ。決して貧乏たらしく見えない。

(6) 盗難が多いのか、駐車するときはどの自転車も鉄柱などに縛りつけてある。それもものすごくデカくて重い鎖と錠で・・・。
どんなボロい自転車でもこの点だけは徹底されているからすごい。

28jun2011 スネルで物色中の図・・・ズラリと並ぶツアー・バイク 28jun2011 一目惚れしたサファリ
スネルで物色中の図・・・ズラリと並ぶツアー・バイク  その中で一目惚れしたサファリ

28jun2011 おっちゃんの店のガゼール 28jun2011 こういうちっちゃな自転車屋もたくさんある
おっちゃんの店のガゼール               こんな風なちっちゃな自転車屋もたくさんある

2011/6/29 水
昨日も一昨日もクソ暑かったと思ってたら、今日は雲が多くて寒い。日が出ないとホント寒い。そして時折り雨交じり。
地中海沿いの一部を除き、ヨーロッパは基本的に寒いところである。ま、緯度を考えりゃ当然だわな、いくら海流の影響があるとは言え・・・。

今日も一日楽しい自転車探し。昨日行った店をもう一度洗い直してみる、スネルを中心に。スネルの向かいにあるおっちゃんの店が水曜定休なのが惜しい。
自分の心はスネルのサファリに、マユミの心はガゼールのカトマンドゥに傾いていたのだが・・・。
スネルの店の前に陳列されている中古車の中に願ってもない掘り出し物を見つけた。
ドーズというブランドのクロモリ・フレームのツアラー。ドロップハンドルで、キャリアからフェンダーからライトまですべて装備されている。状態もいい。
驚いたことにクロモリのパイプはレイノルズ製だ。
ドーズというのは自分は知らなかったが、店の人に聞いたら英国ブランドの老舗らしい。
お値段175E。
なんで昨日気付かなかったんだろ(マユミは気になっていたらしいが・・・)。
コイツを逃す手はない。
僅か数分で即決。試乗させてもらってマユミ用に一台お買い上げ、チ~ン。
支払いと引き取りは明日にして、今日のうちに細部をチェックしてもらうことに。

サファリの方は値段が値段だけに決められずにいた。やっぱどうせ買うなら好きな色をオーダーしたいし・・・。
と、店内の入口近くに、(サファリにばかり気をとられていて)やはり昨日は気付かなかった一台のバイクが・・・。
キャノンデールのアルミ・フレームのツアラー。ドロップハンドルで、キャリアもフェンダーも装備されている。アンティークなブルックスの革サドルも気に入った。全身真っ黒のカラーもいかしてる。ハンドルバーにもう一つブレーキ・レバーがあるのも素敵。
ディレイラーとシフターはアルテグラと105のミックス、クランクはスラム製。ウェルゴのSPD兼用ペダルに、ホイールのリムはマビック、スポークはDT。どことなくマニア心をくすぐるこだわりのパーツ・セレクション。
アルミ・フレームってところが少々引っ掛かるが、昔からツアー・バイクをラインナップしてるキャノンデールのアルミなら耐久性に問題はなかろう。
またも一目惚れ・・・。
ちなみに特価品で、お値段1,699E・・・結局サファリと変わらんがな。
フレームサイズが自分にはちょっと大きいのだが、試乗させてもらったら何の問題もない。抜群の乗り味と操作性。コイツは・・・。

どうしよう・・・。
宿に帰って一晩よく考えることにした。
明日おっちゃんの店でもう一度ガゼールも見てから決めたいし、サファリも捨てがたいし、他にも選択肢があるかもしれんし・・・。

29jun2011 掘り出し物のドーズ・・・即お買い上げ 29jun2011 またまた一目惚れしたキャノンデール
掘り出し物のドーズ・・・即お買い上げ         またまた一目惚れしたキャノンデール

2011/6/30 木
もちろん今日も楽しい自転車探し。
昨日宿に帰ってからじっくり考えてみたけれど、考えれば考えるほど心はキャノンデールに傾いていった・・・。
1台が安く済んだことも大きい。
引き出し口座の残高が心もとなくなってきた自分らにとって、スネルならカードを使えるところも大きい。ガゼールのおっちゃんの店はカードが使えんのだ。おっちゃんの店に限らず、カード払いできない自転車屋はけっこう多い。

半ば心は決まっていたけれど、美味しいものは最後にとっておく感覚で、まずは他の店を洗い直す。
店の人にしてみたら、「コイツらまた来たのかよ」って感じだっただろう。どこも暖かく迎えてくれるけれども・・・。
自転車を見つつ、必要な装備品を買ったりしながら次々と店をハシゴ。もちろんおっちゃんの店で二日ぶりにガゼールも確認したけれど、キャノンデールにとりつかれた今となっては不思議と色褪せて見えた。

そしていよいよ本命のスネルへ。
店が混んでいたこともあり、中に入ってもなかなか本題に切り込まない。あくまで美味しいものは最後にとっておく。
ヘルメットを見たり、パニア・バッグを見たり、その他諸々の備品をチェックして目星をつける。
で、もう一度試乗させてもらった後でいよいよ買ってしまいました、キャノンデール!
いやースッキリした。
そのまま勢いでヘルメットやパニア・バッグなんかも一緒に購入。久々に金使ったなぁ・・・カードというのは恐ろしい。

メーターやフロント・バッグ、ライトなんかをその場で着けてもらい、自分のバイクに乗って宿まで帰る。
爽快!実に爽快!やっぱ自転車はいいな~
この感動は忘れまい。
結局二台ともダッチ・ブランドではなくなってしまったが、そこはご愛嬌。

30jun2011 ついに買ってしまったキャノンデールと 30jun2011 マユミのドーズ
ついに買ってしまったキャノンデールと        マユミのドーズ

Trackback [0] | Comment [2] | Category [■ 068_Netherlands / オランダ] | 2011.07.03(Sun) PageTop
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ユトレヒトで旅立ちの準備

2011/7/1 金
最大の難関であった自転車が手に入っても、まだまだ旅立てない。
他に必要な備品がいくつもあるし、自転車の細部の調整も必要だし、パッキングのことも考えにゃならんし・・・。
そんなわけで、ひとまず今日は朝から自転車の調整。ポジションを微調整して、パニア・バッグの取り付けを微調整して、その他諸々をチェックして・・・そんなことをやっているとあっという間に時間が過ぎて午後になってしまうわけであるが、問題点を二つ発見してしまった。

その1 フロントのカンチ・ブレーキが解除できない・・・。
もちろんノーマルの状態でそんなことがあろうはずはなく、スネルで取り付けてもらったライトが原因。
スネルのツアー・バイクがどれもフロント・フォークの取付部、ヘッド・パイプの下にブラケットをセットしてライトを着けていたので、「これでいいや」って感じで昨日買うとき着けてもらっていたのだが、スネルのバイクはVブレーキ、キャノンデールはカンチ・レバーであるからして、明らかにワイヤーのトライアングルと干渉する。
「ワイヤーと干渉するけど着けられるのか?」ってちゃんと聞いたのに・・・「ブラケットの上にトライアングルを張るから大丈夫」って言ってたのに・・・。
確かにブレーキを作動させる分には問題なかった。けど、トライアングルの頂点がブラケットと干渉してしまってそれ以上ワイヤーを引けない=ブレーキが解除できない=これだとホイールが外せない・・・。
フェンダーを共締めしてるボルトを抜いてブラケットを外してからなら解除できるのだけれど、面倒くさくてホイールを外すたびにそんなことやってられん。
こりゃライトの取り付け位置を変えないとダメか?

その2 ハンドルバーにある方のリア・ブレーキの動きが渋い。おかしい。試乗した時にはそんなことなかったのに・・・。
ブレーキ・ワイヤー周りを確認したら、フロント・バッグの台座に噛み込まれている。さらによく見たら、メーターのワイヤーまで噛み込んでる・・・。
はぁ・・・いったいどういう整備してんだよ。フロント・バッグの台座も取り付けが面倒そうだったから昨日一緒に着けてもらったのだけれど、こんなことなら自分でやりゃよかった。
付属のワイヤーを使って固定しているのだが、取り付けるとき見てなかったからどうやって組み付いているのかよくわからん・・・。

スネルにバイクを持ち込むことにした。
向かう途中で雨に降られて散々だったけど、幸い店は空いていてすぐに見てもらえた。もちろんタダで。
カンチ・ブレーキの方は上部でブレーキ・ワイヤーをカットして、別部品である太いワイヤーのトライアングルを接続してくれた。これだとブラケットのはるか上にトライアングルの頂点が来るから、ライトのブラケットと干渉しない。こんないいパーツがあるなら最初からそうしてくれよ・・・。
今日整備を担当してくれたおっちゃんは腕がよかった。どうやら昨日整備してくれた人に原因があったようだ。
フロント・バッグの台座の方も、ちょちょいと外して着け直してくれた。ただし固定に使っていたワイヤーは再使用不可のようで、売り物のスペアパーツを出してきてくれた。
ありがとう、おっちゃん!これで完璧だよ。

いったん宿にバイクを置いてから、宿のおっちゃんに教えてもらったアウトドア・ショップを回る。
ペグとか簡単なものを買いに行ったのだけれど、二つ目に行ったICIのような所謂山道具屋は大きくて品が充実していた。山ヤの性というか、自転車同様こういう店は見ているだけでワクワクしてくるねぇ。
残念ながら行ったのが閉店間際。明日も開いているという話なので、明日出直すことに。

2011/7/2 土
今滞在している宿Strowisはホントに居心地のいい宿だ。
アムスのようなことはないけど日によってベッドがいっぱいになったりするから、連泊する場合は早めに予約だけはしておくことが肝要。
当初自分らも6/30と7/2はベッドがいっぱいで、6/30など個室もいっぱいと言われたが、そこは宿の人がなんとかしてくれた。
親切で頼りになるんだ、この宿の人たちは。
「とりあえず個室が空いたから予約入れとくから」とか「でもできればドミがいいんだろ。ドミにキャンセルが出たらチェンジしとくから安心しろ」とか、いろいろ世話を焼いてくれる。
ちなみに個室になると一気に宿代が跳ね上がり、一番安い部屋でも一泊62Eもする。つまりは今の倍。今いるのは14人ドミである。
「とりあえず一つはドミのベッドが確保できたよ。もう一つもたぶん大丈夫、おそらくコイツがキャンセルするから・・・」と言ってくれていた通り、あれこれ調整してくれて結局この日も同じドミのベッドに泊まれることとなった。

今日は午前中に自転車屋を2軒回ってマユミのリア・バッグとか細かな備品を買ったりし、午後から昨日最後に行った山道具屋「カトマンドゥ」をのぞきに行った。
うぅぅむ、いろいろ欲しくなってくるなぁ、こういう店を見ていると・・・。目の毒だ。
土地柄か、岩・雪・氷用のある意味特殊と言えるギアはあまり品揃えがないが、もっとライトな山登り用の装備はこれでもかというくらい揃っている。今の自分らの目的にはこの上なく合致した店だ。
店内を隅々まで物色しているうちに、ふとMSRのガソリン・ストーブが目に入った。そう言えば・・・忘れてたけど、ストーブはどうするか。
その場でマユミと作戦会議。
この先毎日使うことになるであろうストーブ。ガスを使っていたのではあまりに不経済だ。それ以前に、そもそもヨーロッパを出たらカートリッジが手に入るのかどうかも疑わしい。
議論の余地もなく買う方向で話がまとまった。問題はどのモデルにするか・・・。
山ヤご用達は、お馴染みのシンプルなウィスパーライト・INT。山が目的であれば自分も迷わずこれを買うだろう。山岳会でもよく使っていたし。
が、今回のメインは山ではなく、あくまで平地のキャンプだ。それも、夕食はその日最大の楽しみと言っても過言ではない。つまりは火力調節の可能なドラゴンフライが候補に急浮上してくるわけだ。
ま、今日のところは見るだけにして、宿に帰ってゆっくり考えよう。日曜は店が休みなので買うのは月曜だな。

ストーブの値段も気になっていた。
自分のおぼろげな記憶に照らすと日本で買うより高いような気がしていたのだが、果たして宿に帰ってネットで調べてみると、やはり日本で買うより高かった。
何故だ?何故ユトレヒトでは日本より高いんだ?アメリカから輸入するにしても日本より近いはずだが・・・。
ちなみにユトレヒトでの値段はと言うと、ウィスパーライト・INTが120E、ドラゴンフライが170E。
うぅぅむ、かと言ってここで買わないという選択肢はおそらくないだろうな。

2jul2011 土曜日の生地市 2jul2011 同じく花市 頻繁にいろんな市が立って面白い
土曜日の生地市と                    同じく花市・・・頻繁にいろんな市が立って面白い

2jul2011 宿の中庭に住んでるカエル 2jul2011 オランダの典型的な自転車道(右)と車道(左)
宿の中庭に住んでいるカエル              オランダの典型的な自転車道(右)と車道(左)

2011/7/3 日
久々に朝から晴れている。
日曜でどこの店も休みの今日は、宿であれこれパッキングを試みた。
最大の懸案は巨大なザックだ。まさか旅先でザックが不要になることがあろうとは思ってもみなかった。
とは言え、この先も山には登るだろうから送り返すわけにもいかない。ただの荷物と化したザックであるが、持ち歩くしかあるまい。

フレームを抜いて丸めてみることにした。
やってみると意外や意外、なかなかコンパクトになるのだ、これが。これなら荷台に縛り付けて持ち運びできる。
そして感動したのが自分のお下がりの、マユミが使っているかれこれ15年落ちのミレーのザック。巨大な天蓋が脱着できるようになっていて、取り外すとバイクのフロント・バッグに代用できることが判明した。
おぉぉ・・・やるな、ミレー(誰もそんな使用法は想定してないだろうが・・・)。重いだけではなかったこのザック、天蓋がマユミのバイクのフロント・バッグに早変わり。

あと問題はpcをどうやって携行するかだよな。と言っても背負うのは嫌だし、荷台に縛り付ける以外ないのだろうけどね・・・。
そのうち振動で壊れそうな気がする。

2011/7/4 月
今日も天気がいい。晴れてはいるがいつぞやと違って暑くはなく、何をするにも気持ちがいい。これがこの時季本来の天気であろうか?このまま安定してくれることを願う。
今日も昼前からあちこち買い物に駆けずり回る。
ガソリン・ストーブはと言うと、山道具屋のカトマンドゥにて念願のドラゴンフライを買ってしまった・・・。
一緒に燃料ボトルを2本買おうとしたら、1本は本体に付属していた。高い!高い!と思っていたけど、これなら納得。(それでもレートを考えると日本で買うより割高だけど・・・)
ウレタン・マットも一緒に買った。マットを買うのは旅立って以来三度目だ。つくづくエア・マットを送り返さなきゃよかった・・・。
どうして何度もマットを買い直しているのかと言うと、200~300円で買える中国製のマットはあっという間にへたって潰れてしまうためだ。ナミビアで買ったやつもメキシコで買ったやつもそうだった。今度のやつは17Eもしたから当分もってくれることだろう。
小さめのコッヘルももう一つ欲しかったのだけれど、セットで売ってるやつしかなかったのでこれは諦めた。

ヨーロッパには基本的に個人商店の文化が息づいている。大型のスーパーやホーム・センターに行けばなんでも買える、というわけではない。この手の大型店やショッピング・モールなんかが性に合わない自分らにはむしろ過ごしやすいのであるが、時間の限られた旅行者にとって少々面倒な一面もある。
工具類やタイラップ(英名はケーブル・タイ)、ビニール・テープといった日本ならちょっとホーム・センターに行けば簡単に手に入るものが、なかなか見つからなかったりする。
これらは個人の金物兼工具店に売っているのであるが、大々的に看板を掲げていないところが多いから、なんとなく町を歩いて自力で見つけるというのは非常に難しい。
どこで手に入れられるのかを人に聞いて行ってみると、「おっこんなところにも」「ここにもあった」という風に、何軒かまとめてあったりする。
何軒かのぞいたうちの一軒は、店のおっちゃんがかぶりつきでツールの中継を見ていた。おぉぉ・・・今年も知らぬうちにスタートしていたか、ツール・ド・フランス。考えてみりゃこの時季フランスにいるのもよかったな・・・。

ストーブの下敷きにするベニヤ板が欲しい。
同じ店で売っていてもよさそうな雰囲気なのだが、あくまで金物兼工具店であるので木材関係のものは一切扱っていない。徹底的に日本のホーム・センターのようなわけにはいかないのだ。
店の人に聞くと近くの木材店を教えてくれたが、ここなど自力で探すのはまず不可能だ。そもそもパッと見で店ってことがまずわからない。
厳密に言うと商店ではなく、問屋に近いところなんだろうな、きっと。
元々が石の文化であるからして日本のような需要はなかろうから、木材を扱う店というのが余計にマイナーな存在なのかもしれない。
要件を告げて奥の部屋に通してもらうと、そこには様々な木材が並んでいた。まさによりどりみどり。
材料を選んで寸法を指定すると、店のおちゃんがその場でカットしてくれる。角を落としてくれるよう頼んだら、「あいよ~何cm落とす?」って感じでその場で面取りもしてくれた。
素晴らしいストーブ台が手に入った。

これにて必要なものは全部揃った。
ツールもスタートしたことだし、いよいよ自分らも出発だ!
と言いつつ、ユトレヒトを発つのは7/7を予定している。
だってまだどこに向かうかも決めてないし、パッキングの問題も片付いてないですから・・・。

4jul2011 山道具屋のカトマンドゥ 4jul2011 運河沿いの自転車道
山道具屋のカトマンドゥと                その近くの運河沿いの自転車道

4jul2011 ベニヤを売ってもらった木材店 4jul2011 材料を選ぶとおっちゃんがその場で切ってくれる
ベニヤ板を売ってもらった木材店           材料を選ぶとおっちゃんがその場でカットしてくれる

Trackback [0] | Comment [0] | Category [■ 068_Netherlands / オランダ] | 2011.07.05(Tue) PageTop
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Author:nakappie
1970年生まれ。妻と二人信州伊那谷在住。
2009年10月~2013年5月の旅を記録するために”なかっぴー通信”をスタートさせました。
現在は伊那谷にて節約生活をしながら充電中。
2014年4月、ブログのタイトルを”なかっぴー通信NEO”に改めました。
信州伊那谷より~旅のこと、山のこと、自転車のこと、そして田舎暮らしのことなどなど・・・気ままに綴ってゆきます。
”おもしろきこともなき世をおもしろく”そんなふうに生きていけたらいいですね。

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