キト、再び

2010/8/6 金
朝9:00前、行きより5時間も早く22時間でイピアレスに到着。
ターミナルにはちょうど国境行きのコレクティーボが待っていて、コロンビア人の女の子ともう一人、4人でシェアして国境へ向かう。運賃は一人1,600COP、行きのタクシーは6,000COPだったからさすがにタクシーよりはずっと安い。
コロンビアの出国手続きはサクッと済んだのだが、そこから歩いて向かったエクアドルのイミグレは行列ができていた。システムの調子でも悪いのか、一向に列が進まない・・・。
自分たちの後ろに並んでいたコロンビア人の家族が実に感じのいい人たちで、(真由美を介して片言で)話をしていてとても気持ちが良かった。コロンビアの人たちは最後の最後まで実にいい人たちだった。にこやかで明るく親切、なんておおらかな人たちなんだろう。ありがとうコロンビア!コロンビアに来てホントによかった。またいつの日か!
1時間ほどすると列が動き出し、結局1時間半かかってようやく入国の手続きが済んだ。
先ほどのコロンビア人の女の子が外で待っていてくれ、一緒に白タクに乗ってトゥルカンのバスターミナルへ。運賃は一人$1.5。
白タクを降りた途端、客引きに囲まれる。ある意味、客引きのいるところはとても楽だ。グアヤキルで休暇を過ごすという女の子とはここでお別れ。
客引きの話ではキト行きのバスがすぐ出るという。リオバンバ行きのダイレクト・バスというのはないらしく、キトで乗り換えねばならぬらしい・・・じゃあひとまずキトまで行くか。
運賃を聞くと一人$5、来るときは$4だったと言うと、来るとき使ったノルテのターミナルまでは$4でスールのターミナルまでだと$5という話・・・あぁそういうことね。
キトにはバスターミナルが二つあり、北へ行くバスはノルテ、南へ行くバスはスールのターミナルから出るので、リオバンバ行きのバスはスールのターミナルから出ることになる。
バスは行きの乗ったのと同じ会社のバスだった。乗るとホントにすぐ出発。
ちょうど5時間でノルテのターミナルに着く。時間は16:30。けっこう疲れたし、時間も時間なんでキトに一泊することが濃厚になってきた。ノルテのターミナルで途中下車してスクレに向かおうか悩んだが、バス代も払ってあることだしひとまずスールのターミナルまで行ってみることに。
30分ほど客集めをした後にバスは再発進。スールのターミナルまですぐかと思っていたら以外に遠く、1時間ほどかかった。18:00となり、すぐに乗り継げるリオバンバ行きのバスもあったのだが、今日のところはターミナルの近くに宿をとることに決定!
スールのターミナルはノルテとは比較にならないほど大きく、まだ真新しい。まるで空港のようだ、と言うよりキトの空港の到着ロビーより格段に大きくてキレイだ。
インフォメーションがあったので宿のことを聞いてみる。こちらのなりを見て察してくれたのか、一人$5の宿を紹介してくれた。宿の名刺をくれ、ここからタクシーで$1で行けるという。
外に出て早速タクシーの運ちゃんと話をするが・・・何台も並んでいるタクシーの誰も宿の場所を知らない。知らないったって名刺に住所も書いてあるのに・・・。近くにいたじいちゃんが「その辺だろう」と口利きもしてくれたが、やはり誰も知らぬ存ぜぬ。うぅぅむ、何故なんだ???もっといいホテルがあると言うのだが、宿泊費を聞くとインフォメーションで聞いた宿より高い。
一人の運ちゃんが道路に出てタクシーを拾った方がいいと言うのでそうすることに。で、どっち方向のタクシーを拾えばいいんだ?とうろちょろしてたら、ピックアップに乗った中年夫婦が声をかけてくれた。宿の名刺を見せたら乗せてってくれると言うので乗り込んだのだが・・・。
宿はターミナルから比較的近いようで、名刺の住所を見つつ、道行く人に尋ねつつどうにか宿の前に到着。ちょっとくらいお金を払うべきか、などと考えていたら、おばちゃんの方から「ハイ、$3ね」・・・人を信用しすぎた自分たちが、乗る前に確認しなかった自分らがバカだったのね・・・。今までこのシチュエーションではタダで乗せてもらっていたもんだから・・・。
宿は一見閉まっているように見えたが、ベルを鳴らすと感じのいいおっちゃんが出てきてくれた。一泊一人$6、$5の部屋はシャワーがなかったので仕方なく$6の部屋に泊まることに。
おっちゃんは実にいい人で、近くに食事のできる店はないか聞いたところ、そこまで歩いて案内してくれた。
食事もやはり旧市街より高く、一食$2~3といったところだ。メニューはやはり飲み物付きだったのだが、ここに落とし穴があった。
飲み物を何にするか聞いてくるので(ボゴタでもいつも2、3種類の中から選べた)、選択肢の中からパパイヤ・ジュースを選んだ。メニューにコーラと書いてあるのにコーラはないのか、まぁいいか、という感じだ。決して積極的にパパイヤ・ジュースを選んだわけじゃない。
で、会計の段になって「ジュースはスペシャルだから別料金」ときた。なんですとぉぉぉ・・・「だってメニューにコーラと書いてあるじゃない」と食いつくと、「その値段はコーラ抜きの値段」と訳のわからぬことをぬかしやがる。ぬぬぬ・・・。
しばらく店の女の子とやり取りしていると、ばあちゃん登場。「メニューに書いてあるコーラってぇのはこのコップに一杯だよ」・・・そうそう、それそれ、それでいいんだよ。やっぱあるんじゃない。誰もビンで出てくるなんて思ってないから・・・。
「何で先にセットの飲み物を出さないんだよぉ~」「ああ聞かれたら普通セットの飲み物のことかと思うだろ~」「こっちはセットの飲み物だけで十分だったのにぃ~」とスペイン語で言ってやりたいが、そんな複雑なことを言えるわけもなく、日本語で文句をタラタラ言ってやる。
百歩譲ってジュースを飲んじゃったのは事実だから金は払うとして、メニューに書いてあるコーラだけは飲んでやらないと腹の虫が収まらない・・・ごねてたら、渋々店先にある新しいコーラを開けてコップに注いでくれた。もしかして新しいのを開けないとないからコーラがないとかのたまってたのか???許せん!
コーラを飲んで気分悪く店を出た。
これまで良かったキトのイメージがガラガラと崩れていく・・・コロンビアが最高だったからなおさらだ。
うまくいかないときってのは何をやってもダメなもので、宿でシャワーを浴びようとしたらほとんど水しか出ない・・・何が悲しくて標高2,800mの地で水シャワーを浴びにゃならんのだ!
あぁぁキトの旧市街が、ホセのいるスクレが懐かしい・・・。
というわけで、キトに来る人は必ず旧市街に、スクレに泊まりましょう!今日もそうしとけばよかった・・・。

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Trackback [0] | Comment [0] | Category [■ 040_Ecuador 2 / エクアドル 2] | 2010.08.11(Wed) PageTop
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リオバンバ その1

2010/8/7 土
標高2,800mのキトが2,600mのボゴタより暖かいのは赤道に近いからか?
9:30頃宿をチェックアウト。宿のおっちゃんに教わった近道を使ったら、スールのターミナルまでたったの3分だった。
昨日の$3が悔やまれるが、大きな街の難しいところで、昨日の18:00過ぎに自力で辿り着くのは無理だっただろう。
スールのターミナルはホントに大きくて空港のようである。各方面ごとにバス会社のチケット・カウンターがズラリと並び、同じ行き先でも何社かある。
リオバンバ行きはそのうちの一社に10:30のバスがあった。ちょっと慌しいがこのバスに乗ることにし、急いで階下に食料を買いに行ってバスに駆け込んだ。
ほぼ時間通り出発。少し走って市街から離れると山の斜面に牧草地の広がる牧歌的な眺めとなる。牧草の淡い緑と空の青、白い雲とのコントラストが素晴らしい。
およそ3時間でリオバンバに到着。
リオバンバに来たのは山に登るためである。狙っているのはチンボラソ:6,310m。登るといっても装備は何もないから、全て借りないといけないのだが・・・。
チンボラソは登山口の標高が既に4,800mあり、通常は2日で登れる。キトやボゴタは標高が高く、何もせずともバスで移動しているだけで3,200~3,300mくらいまでは順化できているから、明日もう少し標高の高いところまで行って明後日には登れるだろう。
バスターミナルに降り立ったところで荷物運びの仕事をしていたおっちゃんに安宿の情報をもらった。ホテルの集まるセントロまでタクシーで$1と言われたが、久々に早く着いたことだし、距離も1kmほどなのでのんびり歩いた。
最初、試しにガイドブックに出ている宿に行ってみたら、Wが$26に値上がりしていた。欧米人の好みそうな小奇麗な宿だからか?
そのままターミナルで教わったHOTEL IMPERIALへ。宿のおっちゃんが陽気で感じのいい人で、こちらは部屋により$12~14。いろいろ部屋を見せてもらって気に入った部屋にチェックイン。
宿ではチンボラソのツアーも斡旋していて、おっちゃんがとりあえず話を聞いてみろと知り合いのガイドに電話してくれた。ちなみに、ここでツアーに申し込めば宿代は$10でいいという話。宿にも少々コミッションが入るのだろう。
しばらくしてガイドが宿に来て、いろいろ話を聞く。ガイドは英語が少しだけでき、英語とスペイン語を織り交ぜながらの話となった。
気になる料金は、装備のレンタル、食事、行き帰りの送迎込みで一人$175+国立公園の入場料$10。タクシーで登山口まで行くだけで片道$40もかかるから、個人であれこれやっているよりお得な感じだ。
靴を合わせたいと言うと、17:00過ぎに装備を見られるということで一度別れる。
17:00過ぎにガイドが再度ホテルに来て、一緒に近くのガイドの家へ。ガイドの家は普通の商店で、奥さんが切り盛りしていた。なんかいい感じ。
靴がちょっと大きすぎると言うと、ガイドの知り合いがどこかから別の靴を探してきてくれたりする。皆仲良しグループといった風でとてもいい感じだ。
プラブーツはどうにかフィットするのが見つかった。自分の借りるのはローバー・チベッタ。マユミのサイズはなかなかないようで、最初大真面目にスキーのブーツを持ってきた・・・さすがにこれじゃダメだろ、と言ったら時間はかかったけどどこかからアゾロのブーツを見つけてきてくれた。
アイゼンもシャルレの比較的新しい型のヤツで、ツメも十分長くて尖っているので問題なし。ピッケルは多少シャフトが長すぎてピックも丸まっているが、アイスクライミングをやるわけじゃないのでまぁいいか・・・。
その他にハーネス、グローブ、スパッツ、ヘルメットから小型のザックまで、およそ登山に必要な装備はほぼ全て借りる形となった。
アイゼン、ピッケルを使うのは1年半ぶり、ザイルを使うのも1年ぶりくらいだろうか・・・久々にアイゼンをつけてみたりすると気持ちが昂ってくる。あとはまぁ天気次第といったところか。
近くにどこか手軽に高所順化できる山はない?と聞いたら、カサ・コンドルというところを教えてくれたので明日行ってみることにする。

2010/8/8 日
8:30過ぎに宿を出てバスターミナルに向かう。途中に池のある公園があって、周囲を走っている人がたくさんいる。こんな標高の高いところで走っていればさぞ強くなるだろうな・・・。
ターミナルでカサ・コンドル行きのバスを探すが、誰もカサ・コンドルのことを知らない。地元じゃメジャーな場所なのかと思っていたが、どうもそうではないらしい。辛うじてバスの乗務員が知っていて、あのバスだと教えてくれた。
バスでカサ・コンドルまで40分ほど。運賃は$1。
着いてみたら、カサ・コンドルというのはその名の通りコンドルの形をした建物のことだった。帰りに案内してもらったところによるとどうやら宿泊施設のようなのだが、どうりで誰も知らないわけだ。
このあたりの標高は3,700mくらい。目の前にズドーンとチンボラソが鎮座しているのだが、残念ながら雲の中で裾野しか見えない。
バスから降りるとさすがに寒く、風に吹かれると空気の薄さも感じる。
昨日聞いた話だとトレッキング道でもありそうな感じであったがそんなものはなく、勝手に付近を歩き回る。近くにこんもりした高台があったので登ることにした。
一瞬雲が切れ、チンボラソが姿を現した。デカイ・・・しかも予想以上に雪が付いていて真っ白である。迫力あるなぁぁ・・・雪を被った岩山というのはいつ見ても厳しく、迫力がある。ホントに登れるんかいな?昨日も今日も天気が悪く、山のコンディションも悪そうである。もし明日も明後日もこんな天気なら、残念ながらピークは踏めないだろうな・・・。
草の生えた斜面を適当にルーファイして登る。特に息が切れることもなく、体調はキリマンジャロのときよりずっといい。
高台の広い頂上の標高は4,100mくらい。もう少し上がっておきたかったのだが、付近にここより高いところはないので適当に風を避けられるところに1時間ほど滞在。
風があってそれなりに寒くはあるのだが、標高4,100mでこの程度というのは驚きだ。赤道直下というのはすごいなぁ・・・。
結局、その後チンボラソは一度も姿を現さず。時折り雨粒も飛んでくる。うぅぅむ、こりゃやはりダメかもな・・・体調はいいのだけれど、天気だけはどうしようもない。こればかりは時の運。
頂上を縦走し、また適当にルーファイしてカサ・コンドルに降りた。来たとき話をしたじいちゃんがいて、カサ・コンドルと隣の学校を案内してくれた。
チンボラソの話が出て、明日登る話をしたら、興味ありげに「どこのエージェント?幾らで登れるの?」と聞かれたので、(エージェントは正規のところじゃないので名前は知らんが)一人$175と話したら、「そんなに安く登れるの?」という反応だった。どのくらいかかるのか知らないが、やはり正規のエージェントに頼むとけっこう高いんだろうなぁ・・・。
道路で40分ほどバスを待ち、ようやく現れたバスを拾ってリオバンバに帰ってきた。
リオバンバには中華系の人が多いのか、中華料理の店がたくさんある。通りがかりにのぞいてみると、どの店も地元の人がけっこう入っている。
試しに宿の近くにある、いかにも安くて旨そうなオーラを出している一軒の店に入ってみた。期待を裏切らず、早い、安い、旨い!しかもこのボリューム・・・いやー正直助かるなぁ、困ったときの中華料理!エジプトのダハブ以来だろうか、久々に食べると感動的に旨い。
やはり食はアジアだなぁとしみじみ思う。圧倒的なレパートリーと繊細な味付け・・・日本食を筆頭にアジアの食はスバラシイ!フレンチだろうがイタリアンだろうが比較にならない。願わくば、世界中の人たちにもっと日本食を知ってもらいたいなぁ・・・スシやサシミ、テンプラに代表される高級料理としての日本食じゃなく、カツ丼や親子丼、カレーライスといった庶民の味を!
それと中国人、華僑の人たちのバイタリティーには脱帽だ。世界中どこに行っても中国人はいて、中華料理は食べられる。これだけ世界中に散らばっているのは中国人を置いて他にない。アフリカなど地域によっては嫌われていたりもするが、イメージの良し悪しはともかく知名度がピカイチなのは間違いない。日本人を知らなくても中国人を知らない人はいない。
インド人にも言えることだけど、商才に長けているのもまた事実。アフリカの飲食店や商店などはほぼインド人と中国人に牛耳られているのが実情だ。こう言っちゃ何だが、見てるとアフリカの人たちにそれほど緻密な商売ができるとは思えず、自分の国に居ながらにしてインド人や中国人に使われちゃうのも自然の成り行きのように思えてくる。
今日は日曜でほとんどの店が閉まっているのだが、中華系の店はまったく関係なし!そんなことが反感を買うこともあろうが、旅行者にとっては実にありがたい。
夜になってパラパラと雨が降ってきた・・・やっぱ明日はダメかもね。

8aug2010 姿を現したチンボラソ 8aug2010 近所のおっちゃんとカサ・コンドルの前で

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チンボラソ登山

2010/8/9 月
Mt. Chinborazo Day 1
チンボラソは主峰の標高が6,310m、地球は真球ではなく極半径より赤道半径の方が長いから地球の中心から最も遠く離れた場所という話もあるが、まぁそんなことはどうでもよい。
今日は13:00にガイドが迎えに来て4,800mのカレル小屋まで車で移動し、その上のウィンパー小屋:5,000mまで歩くだけ。午前中は装備の点検などをして過ごした。
チンボラソの西稜は技術的に問題となるようなところはないだろうから、問題は天気と、そして何より高度だ。特に4,800mのカレル小屋まで、2,700mのリオバンバから車で一気に高度を上げてしまうのが怖い。アプローチがほとんどなく一気にアタックと考えると、そんな不安感も手伝って妙に緊張してくる。久々に、冬期登攀に出掛ける前のような緊張感に襲われ、食事もほとんど喉を通らなかった。
服装についてであるが、いつも冬山で着ていた上下の中間着を持って来ていたのだが、キリマンジャロでも着なかったしということで実はイスタンブールから日本に送り返してしまっていた・・・シャツはともかくタイツは送り返さなければよかった。
ボゴタでもリオバンバでも探してみたのだけれど、店で聞いてみてもズボンの下に着る所謂タイツというやつは売ってない。実はタイツはかなり貴重な存在だったのだ!が、ダメ元で昨日閉まっていたスポーツ店をのぞいてみたら、女物のタイツが売っていた。試着してみたらどうにか着られそうだったので藁にもすがる思いで購入、$9也。これで怖いものなし。
13:00にガイドが残りの装備を持って迎えに来た。てっきり話を詰めていたガイドとその弟の二人がつくのかと思っていたら、弟の方だけらしい。大丈夫かよ、と思っていたのだが・・・。
一昨日宿まで車で送ってくれたジョエルがカレル小屋まで送ってくれる。ジョエルは努めてゆっくり運転してくれているように見えたが、それでも1時間程で4,200mの公園管理事務所まで上がってしまうのだからかなり急激な高度上昇だ。幸い二人とも特に高度障害は出なかった。
リオバンバはパッとしない天気であったが、チンボラソに近づくと晴れてきた。最初中腹までしか見えていなかったチンボラソだが、管理事務所に着く頃には全貌を現した。こりゃツイてる!一大不安要素であった天気がクリアとなり、小躍りしたくなるような気分。体調もいいし、もう半分もらったような気になった。
公園の入場料は$10だが、マユミの学生証を出したらあっさり二人とも$5で入れた。ゲートからはダートとなり、カレル小屋までさらに600m高度を上げる。
カレル小屋でジョエルとはお別れ。小屋で靴を履き替え、5,000mのウィンパー小屋までのんびり歩く。分担して持っている食糧がやけに重い。
ちなみに、ウィンパーというのはマッターホルン初登者のウィンパーと同一人物で、チンボラソの初登者でもあるのみならず、エクアドルにあるほとんどの山を初登しているそうだ。
まっすぐチンボラソに向かって歩く。なかなかの迫力だ。山頂にかかる雲が箔をつけている。天気はすこぶる良く、思わず顔がにやけてしまう。
向かって左端に見えるのがノーマル・ルートの西稜で、左から取り付いてピナクルの下を右にトラバースし、ピナクルのコルに出て西稜に上がるようである。西稜に出てからは延々と雪の斜面を西峰に向かって詰めることになり、嫌らしいのはピナクルのコルに出るまでか?
西稜の右にズドーンと見える正面壁はなかなか迫力がある。薄そうだが氷は繋がっているように見えるので、アイスと岩のギアがあれば何本か攻撃的なラインが引けそうである。
40分ほどでウィンパー小屋に着く。途中から風が強まり、埃で目が痛い。
驚いたことに5,000m近くまで植物が茂り、ビクーニャが生活している。赤道直下の国以外では考えられない光景だ。
小屋には先着のパーティーがいて、どうやら自分らが最終着。自分ら以外のパーティーはフランス人一人、イギリス人一人、スペイン人二人、とそれぞれのガイドが数人。
小屋に着いたのが最後なら食事も最後、18:00に食事をとってシュラフにもぐりこむ。
天気はいいが、尋常じゃない風が一日中吹き荒れている。赤道直下にあるチンボラソは一年中登れる山であるが、7、8月は風が強く、だいたいいつもこんな感じみたいである。強いて登山適期を上げると12~1月頃ということになろうか。

9aug2010 カレル小屋にて 左がジョエル、右がガイド 9aug2010 チンボラソ

9aug2010 雲に煙るチンボラソ 9aug2010 ウィンパー小屋へのアプローチ

9aug2010 ウィンパー小屋の中 9aug2010 夕日に映えるチンボラソ

2010/8/10 火
Mt. Chinborazo Day 2
標高5,000mではやはり熟睡というわけにはいかない。
22:30に起き出して準備を始める。外は満天の星空であるが、相変らず風が吹き荒れている。風というのは最も怖い要素で、どうしても気分を萎えさせてくれる。
ヘルメットとハーネスをつけて11:40に出発、一番乗りである。自分らのガイドはまだ若く、そこまで急ぐ必要はないのにとにかく歩くのが早い、早過ぎる・・・高度障害が怖いので、自分らは努めてゆっくり歩く。
ちなみに、ガイドの名前は7日に最初に会ったとき聞いたのだが忘れてしまい、後で聞こうと思っていて結局聞けず仕舞いだった・・・。
ほぼ新月と思われ、真っ暗なので星がよく見える。天の川がハッキリ見えるのもおそらくボツワナ以来。
今回は少々頭痛があるもののまずまず体調は上々、マユミは完璧な仕上がりだ。何より天気は絶好のアタック日和で、こんないい日はそうそうないだろうと思われた。完全にいただき、間違いなく登頂できると信じて疑わなかったのだが・・・。
岩と砂の交じったところをしばらく登ると氷が現れ、どこでアイゼンを着けるんかなぁと思いつつちょっときわどいところを歩いていたら、やたら不安定なところでアイゼンを着ける破目に・・・どうしてもっと下の安定したとこで着けないんだよ~。
このガイド、真っ暗な所為もあるのだろうが、ルーファイもあまり的確でない。明るいとき見た感じからすると、何もそんなところを登らんでも・・・というようなところをガシガシ登っていく。案の定、しばらくして後ろを見ると他パーティーは別ラインを登っていた。ちなみに、他パーティーのガイドは白人系の所謂プロのガイドといった出で立ちで、持ってる装備も最新。
さらに詰めたところで、自分は特に必要を感じなかったがザイルを結び、ここからはコンテ。ルートの状態は岩と氷のミックスで、時々硬く締まった雪が現れる。斜度は立ったところで50~60°といったところだろうか。難しくはないが、中途半端な斜度でやたらと疲れる。場所によってアックスがもう一本欲しくなる。
驚くのは氷の硬さ。標高の所為だと思うが乾いていてやたらと硬い。所謂ブラック・アイスというのに近い状態であろう、腐ったピッケルは言うに及ばず、爪のしっかりしているアイゼンもまるで歯が立たない。
氷のパートを越えて雪の斜面に出る。標高5,300mくらい、ピナクルのコルに向けてトラバースするところだと思う。時間は1:40。
しばらく登ったところでトップのガイドが突然滑落してきた。エッ?まさかガイドが滑落?そんな急でもないところで何やってんだ、コイツは?・・・と初めは思った。
頭から滑落してきたガイドを二番目のマユミが体を張って止めたのだが、その時の衝撃で耳の前を軽く切ってしまった。最初はそっちを心配していたのだが、ふと見るとガイドがピクリとも動かない。意識を失っている???何ゆえに???早いとこガイドを起こして登行を続行しよう、と軽く考えていたのだが・・・。
肩の辺りをゆすりながらしばらく呼びかけていたら意識は戻ったのだが、何故か頭や口から出血していて血だらけである。頭が下ではどうにもならないので、どうにか体の向きを横にしてやると自力で上体を起こした。ヘルメットも割れている。何が起きたのかさっぱりわからない。本人もよくわかっていない様子・・・。
ガイドは声にならない呻き声を発したり、立ち上がろうとしたりしているが、如何せん頭を打っているのであまり動かない方がよかろう。とりあえずそこに座っていろと告げる。下を見ると後続パーティーのヘッド・ランプの明かりがチラチラ。とりあえず後続パーティーが登ってくるのを待つか・・・。
一つハッキリしているのは、これで今回の登頂は断念せねばならぬということだ。あぁぁこんなに晴れているのに・・・体調もいいのに・・・時間的余裕もあるのに・・・まさかこんな結末になろうとは・・・。もうちょっとで西稜に出られるのに・・・西稜に出たら雪の斜面を詰めるだけなのに・・・出発してたったの2時間しか登ってないのに・・・こんなとこで幕切れとは・・・。
イギリス人を連れたガイドが上がってきたので、「自分らのガイドが怪我をした」と声をかけてみるが、「いやーこっちは違うエージェントだから・・・」と最初はつれない態度だった。状況がわかってなかったからだろう。
血だらけのガイドを見ると態度を改め、さらに下にいるガイドにも声を掛けはじめた。
下のガイドも駆け上がってきてあーだ、こーだと話し合って結論が出た・・・全員ここから降りると。自分らはまだしも、他パーティーの客はとんだとばっちりを食ってしまって気の毒に思う。まぁこんな状況なら金は戻ってくるんだろうけど・・・。
さて、一体何が起こったのか?負傷者に聞いてもわからないらしく、自分らもガイドに聞かれたが、上から突然滑落してきたことしか自分らにもわからない。
後で他のガイドたちが推測したところによると、どうやら落石が頭に当たったらしいということだが、本当か?近くにいた自分らにはまるで落石の気配は感じられなかった。人が卒倒するくらいの落石があったなら後続の自分らにも何らかの気配が感じられたはずだ。そうではなくガイドは突然上から滑落してきた。
落石と言っても壁を登っていたわけでなし、斜面を転がってきた岩が頭に当たったということなの?本当だろうか?イマイチ信じられない。
本当は、信じられないことだが、単に滑落しただけなのかもしれない。倒れたときに岩か自分のピッケルにでも頭をぶつけて気を失っただけなのかも・・・。
いずれにしても本人にもよくわかってない以上、真相は闇の中だ。
降りると決まったのはいいが、足下は漆黒の闇。ルーファイしながら下るのは至難の業に思えた。まぁガイドがいるから問題ないだろうけど・・・。
登ってきたところは懸垂しないと下りれないんじゃないか?と思っていたが、ザイルに繋がってガイドの指示で下降していくとそんなパートはなかった。やはりトンチンカンなところを登っていたのか・・・。
3:40、滑落があってから2時間後にウィンパー小屋まで下り着いた。小屋には担架があったので、途中まで自力下山していた負傷者をガイド連中が担架を使って小屋まで下ろした。ガイド連中は、そのまま担架を担いでカレル小屋まで負傷者を運ぶ。手伝いが必要かと申し出たが、大丈夫ということなので小屋でシュラフに包まった。明るくなるまでここで寝ていたい・・・。
しばらくするとガイド連中が戻ってきて、これから下ると言う。あー面倒くせぇ・・・下るのは明るくなってからでいいのになぁ・・・。そうも言っておられず、皆と一緒にカレル小屋まで下りる。下りる途中で明るくなったが、山はまだ晴れていた。あ~あぁ、本当なら今頃登頂していたはずなのに・・・残念!無念!
カレル小屋から、自分ら二人はガイドの関係者の車でリオバンバに帰ってきた。
なんともやり切れない気分だ。あんなことがなければ間違いなく登れていたのに・・・それも絶好の天気の中で。完全なる?不完全燃焼って感じだ。
今回の件は真相は闇の中だし、完全な自然災害とも思えないので、最初に話をしたガイドと談判してどうにかガイド料のうちの$140だけは返してもらった。
ちなみに、負傷したガイドは命には別状なく、病院に無事搬送されたということである。とりあえずは一安心。
ホテルのおっちゃんの話では、TVのニュースで事故のことがちょこっと報道されたらしい・・・ハポネス二人のガイドがどうたらこうたらと。夜のニュースでまたやるよ、と言っていたがうまいこと見られなかった・・・。
というわけで、チンボラソは完全なる?不完全燃焼で終わった。何が起こったのか?真相がわからないのがまたなんともやり切れん。またいつの日か(挑戦するだろうか?)・・・クソー次はガラパゴスだ!

(満天の星空の下をゆっくりと歩く。天の川がよく見える。風が強いけど寒くは感じない。天気は最高、素晴らしい日だ。標高5000mを超えているというのに呼吸が苦しくならない。頭も痛くないし、体もよく動いている。高度順化バッチリ、体調は万全。途中からアイゼンを付けてザイルを結んだ。トップはガイド、次は私、最後は夫、という順番。岩場を抜けて広い斜面に出た。少し登ったところでふと上を見ると、何か大きなものが滑り落ちてくる。まさか、あれは・・・なんとあろうことか、我らがガイド氏が滑落してくる。ヤバイ。止められるのか?咄嗟にピッケルを打ち込み、両膝を地面につけて踏ん張る。頭にガツッと衝撃。強い痛み。痛みが治まるまでしばらく動けなかった。痛みが引いて脇を見るとガイド氏が倒れている。気を失っているようで動かない。何が起こったんだ???頭が下を向いているので夫と二人で向きを変える。ガイド氏が気が付き呻き声を上げている。頭も口の中も血だらけ。よく見るとヘルメットが割れている。落石?でも、私が一番近くにいたわけだけど、落ちてくる岩なんて見えなかった。音も聞こえなかった。とにかく、これはもう無理だよね。この時点で諦めた。でもこの暗闇の中、どうやって下りたらいいんだろう。そんな心配をしていたら、後から来たガイド諸氏が助け合っての下山となった。天気も体調も良好。こんな形で諦めることになるなんて、まったく予想外だ。後で帽子を脱いだら、右耳の脇から血が出ていた。滑落してきたガイド氏とぶつかったときに怪我したらしい。ガイド氏が頭から落ちてきたので、この程度の怪我で済んだ。不幸中の幸いか。足から落ちてきてアイゼンが顔に当たっていたら、と想像すると恐ろしい・・・。 マユミ)

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リオバンバ その2

2010/8/11 水
昨日は悶々としてやり切れない気分であったが、一晩寝たら気分が晴れた。
今日は寒気が入ったようで朝から寒く、夕方には雨もパラパラ。山はおそらく雪だろう。
埃まみれになった服を洗濯したりして一日のんびりした。
新聞のリオバンバ版に昨日の事故のことがデカデカと出ていた。それによると、事故の原因はやはり落石が頭に当たったとある。
5,400m付近が危険(滑落があったのは5,300mではなく5,400m付近のようである)とか、ハポネス二人も同様に怪我を負いながら救助に当たったとか書かれていた。
今日でリオバンバともお別れだ。宿泊しているホテル・インペリアルは山から帰った後も一人$5で泊めてくれたし、平日は客もほとんどおらず静かでいい宿である。リオバンバに来る人にはぜひオススメする。
明日はガラパゴス最寄の町であるグアヤキルにバスで移動する。一気に太平洋岸まで下りるのできっと暑いだろうなぁ。

11aug2010 滑落の次の日の新聞

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リオバンバ ~ グアヤキル

2010/8/12 木
朝10:30のバスに乗るべく宿をチェックアウトし、バスターミナルまで歩く。
バスターミナルに着くとすぐ、バスの乗務員に「グアヤキルか?」「今出るからすぐに乗れ」と促された・・・。どうやらグアヤキル行きの別のバスがあったらしい。
これ幸いとばかりに、その名も「CHINBORAZO」という会社名のバスに乗り込んだ。グアヤキルまで運賃は$4.5。
チンボラソのお膝元のリオバンバには「CHINBORAZO」という名が溢れている。バス会社からレストラン、修理工場、タバコの銘柄など、至る所で見かける。
バスは出発時こそガラガラであったが、途中で人を拾っていくうちに超満員となった。
バスが止まる度に物売りの人たちがバスに乗り込んでくる。いろいろ売っている中でオススメなのは、手作りのポテトチップス。道端やターミナルの売店などでも売っているのだが、これが実に旨い!既製品なんかよりずっと美味しく、上手に作るなぁと感心してしまう。
今日もまた最初のうちは富士山頂くらいの標高のところを走る。こんな標高の山間にも当然人は住んでいて、山の斜面は牧草地や畑に利用されている。
標高4,000mほどまでは普通に畑になっているのだが、これがまた信じられないくらい急な斜面だ。段々畑ではなく斜面がそのまま畑になっているのだが、こんな急なところでどうやって農作業してるんだ?と首を傾げてしまう。
牛もそんな急斜面でごく普通に草を食んでいる。普段はどん臭い牛だけど、「やればできるんじゃん」と思わずにいられない。今いる場所のちょっと下がスッパリ切れ落ちていると彼女たちが知っているかどうかは定かでない。
そのうち道は緩やかな下りに差し掛かる。途中、2,000m付近はガスっていた。標高が下がるに従い暑くなってくる。
5時間かからずにグアヤキルに到着。グアヤキルの標高は100mに満たない。暑い!久々に感じるこの感覚。日本の夏ほどではないが、とにかく暑い!
グアヤキルのバスターミナルは空港に隣接していてこれまた立派!リオバンバのような小さな町から来ると、お上りさん状態で右も左もよくわからない。
右往左往しながらターミナルの外に出て、セントロ行きの路線バスに乗る。セントロまでは15分ほど。
隣のおっちゃんにどこで降りたらいいか聞き、センテナリオ公園近くの10月9日通りで下車。そこからオテル・ニウカンチェまで歩き、そのままチェックイン。Wが一泊$12也(窓なしでよければ$10で泊まれる)。
ほとんど何もしてないのに妙に疲れてしまい、この日はこのまま轟沈。
夜、TVのニュースを見てたら先日のチンボラソでの事故のことをちょこっとやっていて、担架で運ばれるガイドが写っていた。何はともあれ無事でよかった。

Trackback [0] | Comment [0] | Category [■ 040_Ecuador 2 / エクアドル 2] | 2010.08.15(Sun) PageTop
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1970年生まれ。妻と二人信州伊那谷在住。
2009年10月~2013年5月の旅を記録するために”なかっぴー通信”をスタートさせました。
現在は伊那谷にて節約生活をしながら充電中。
2014年4月、ブログのタイトルを”なかっぴー通信NEO”に改めました。
信州伊那谷より~旅のこと、山のこと、自転車のこと、そして田舎暮らしのことなどなど・・・気ままに綴ってゆきます。
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