冬の野宿遍路 34日目 石手寺と道後温泉

2016/2/28 日
晴れ、朝4℃
始:7:15 ~ 終:18:05 歩行:21km
(日尾公園)0715 ~ 0730(50番繁多寺)0750 ~ 0830(51番石手寺)0905 ~ 1000(道後温泉本館)1210 ~ (祝谷) ~ (吉藤池) ~ (志津川) ~ (安城寺) ~ (大将軍神社) ~ 1450(52番太山寺)1515 ~ (和気) ~ 1550(53番円明寺)1610 ~ (内宮) ~ 1710(堀江海の駅) ~ <いったん幕営して撤収> ~ 1805(堀江中央公園)

今日こそは日中ポカポカ陽気で、まさに春といった感じだった。

朝、夫婦と思しき二人が広場にやって来て、ひとしきり社交ダンスの練習をしていた。
広場の地面に模様のようなものが描かれていて、てっきり子供の遊んだ跡だろうと昨日の夕方は思っていたのだけれど、どうやら社交ダンスの練習のためのマーキングだったようだ。
自分らのガキの頃と違って、今の子供がそんな遊びしねーか。

コーヒーとパンを食べて7:15発。
50番繁多寺(はんたじ)まで僅か15分。
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町中であっても朝の寺は気持ちがいい。お地蔵さんの帽子が暖かそう。

先にいらしていた、香川からという車遍路の方に絵葉書をいただいた。

続いて51番石手寺(いしてじ)へと向う。

石手寺には衛門三郎(えもんさぶろう)伝説というのがある。
衛門三郎というのは伊予の強欲な富豪で、ある日、托鉢に来た僧(空海)を箒で打って追い払った。
その翌日から三郎の子が次々と死に、悔やんだ三郎は八十八ヶ所を巡るが、二十一周目に12番焼山寺で力尽きた。そこに現れた空海は三郎の手に石を握らせ、再来を祈願した。
後に三郎の本家でこの石を握った男子が生まれ、その石は石手寺に納められた、というもの。
石手寺という名の由来であり、衛門三郎の八十八ヶ所巡りが四国遍路の始まりともいわれている。

その石手寺へと向かう途中、前から歩いてきたおっちゃんに声をかけられた。
おっちゃんは三瀬さんという。自身も何年か前に結願され、現在は宿泊場所のリストをまとめておられる方の一人。
そのリストは逐次ネット上で更新しているらしいのだが、自分らがスマホを持っていないのを知ると、三瀬さんはわざわざ家に帰ってプリントアウトしてくれた。
「自転車で追いかけるから」ということだったのだけれど、自分らのほうが今度はパグを散歩していたおっちゃんにつかまり(やはり数年前に結願したということだった)、三瀬さんを少々待たせる結果となってしまった。

道後温泉本館はなんと6:00から開いている!ということも三瀬さんに教わった。
どうやら時間的には道後温泉に入れそうである。

石手寺は、松山のもっとも賑やかといえるエリアにあるのだが、札所である以前に完全なる観光地だった。
大型の観光バスが次々にやって来て、お遍路ではない一般の観光客がどっと押し寄せる。

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(左)石手寺の山門と、(右)衛門三郎伝説の石像

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寺は雑多な感じで騒々しい。いわゆる日本の寺の雰囲気とは対極にある。
が、この感じはどこか懐かしい。ちょっとしたデジャヴ。
確かタイの寺がこんな感じだ。インドの寺院も、ヒンドゥーの寺院、シーク教の黄金寺院を問わずこんな感じだった。
スピーカーからお経が大音量で流れているところなど、イスラームのアザーンのようでもある。
なんとも懐かしい・・・。

それでも、これだけ人の押し寄せる場所というのは正直、今はうんざりだった。

寺からの遍路道がわかりにくい。
主に観光客相手の土産物店の人に訊いても、まったく要領を得なかったりする。

寺の裏手の山にいったん登り(境内の喧騒が嘘のように静かである)、町へと下るとそこが道後温泉である。
10:00に道後温泉本館に着いた。
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観光客でごった返す場所なのでどうしようか迷ったが(これまでにも何度か近くまで行きながら入ったことはない)、今回は入っていくことにした。
一期一会
最近富に思うのだが、こういった場合、次があるなどとは思わないほうがよい。

入ってみたら意外にも、温泉自体は思ったほど混んではいなかった。
入っているのは近所のご老人か観光客。観光客のほうは話の種に湯にざっと浸かるだけだから、非常に回転が速い。
結果、ずっと混んでいるということがない。

混んでいるのは二階の休憩室。
昔の面影を色濃く残しているらしく、もしかすると温泉自体よりこちらの休憩室の雰囲気を味わうことのほうが道後温泉を有名たらしめている真髄なのかもしれない。
別料金で、入浴と同額くらいとられるんだけど、常に満室状態だった。人数制限をしているため、利用するのは常に難しいのではなかろうか。

男湯のほうには浴室が二つあり、東湯と西湯に分かれている。どちらにも浸かったがつくりは一緒。
つくりを見る限り、湯船も壁も、漱石の当時のものは何ひとつ残っていないだろう。お湯も特にこれといった特徴がない。
そういった意味で特に惹かれるものはなかったなぁ・・・これなら例えば八甲田の酸ヶ湯温泉あたりのうほうがグッとくる。

道後温泉は日本でもっとも古い温泉のひとつで、その歴史は神話の時代も含めて三千年に及ぶらしいが、今の時代にここまで有名なのはやはり坊ちゃんの影響が大きい。
坊ちゃんの頃は松山から汽車で行く郊外であったが、今ではこのあたりが松山の中心地となっている。
三瀬さんから聞いた話によると、道後温泉のある場所はもともと石手寺の敷地であったらしい。
ちなみに入湯料は410円。

道後温泉にのんびり浸かり、これにて松山に思い残すことはなくなった。
次の52番太山寺(たいさんじ)へと向う。
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市街地をこれ以上歩くのはやめて山田のほうから迂回

太山寺の手前、松山北中の近くに大将軍神社というのがある。
地図で見つけ、いったいどのような由緒の神社なのか非常に気になった。
ルート上にあるので寄ってみたのだけれど、由緒書きも何もなくて何ひとつわからずじまい。いったい大将軍とは誰を指しているのか???
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大将軍神社・・・隣はトイレのある公園で、いいテン場である。

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52番太山寺。嘉元三年(1305年)に松山城主が寄進した入母屋造り本瓦葺きの本堂は国宝に指定されている。

太山寺から、山中を北の勝岡へと延びる遍路道があるはずなのだが、入り口がよくわからない。
境内でいよかんを売っていたおっちゃんに道を訊くと、以前の遍路道はもう使われていないらしい。山門のところから道が出ていると念のため教えてもらったのだが、よくわからなかった。
おっちゃんは売り物のいよかんを接待してくれた上、この先のテン場のことをいろいろ教えてくれた。
堀江に公園があるし、一番いいのはその先にある海の駅だと教えてくれたのだが・・・。

廃道となった遍路道はわからなかったので、県道まで下って53番円明寺(えんみょうじ)へ。
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参拝を終えたらテン場探し。目星がついているので気は楽だ。
寺を出てそのまま県道を歩いているとコスモスを発見。明日の行動食をしこたま買い込む。

その先、堀江の公園にはまだ人がいて、道路にも近くてうるさそうだったのでひとまずパス。
そのまま行くと海の駅があった。
ザックを下ろし、一通り偵察。例によって注意書の類を熟読する。
ここは店などは一切なく、交流場所として使われている一室があるのみなのだが、その場所は夜間シャッターが閉まる。
注意書されているのはそのことのみで、これならばとテン場に当たるをつける。

先ほど近くの家の前を通りかかったとき声をかけてくれたおっちゃんが、わざわざ自転車でデコポンを持ってきてくれた。
おっちゃんに訊くと夜はトイレも閉まるということだったが、閉まるのが21:00というから大丈夫。その時刻にはもう寝ている。

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うみてらす(ほりえ海の駅)から眺める夕日

一番落ち着く、水道のある緑地帯に幕営した。
が、ちょうどテントを張り終えたとき、道路の向こうの食堂の人がやって来て告げられた。
「ここはテントはダメなんです」

へ???
太山寺のおっちゃんが勧めてくれた場所だし、今しがた近所のおっちゃんにも確認した場所だったので、まさに寝耳に水だった。
世の中なかなか難しい。

公式にダメなわけではないのだろうな、とは咄嗟に思った。
公式にダメなら注意書にそう書けば済む話だし、誰も勧めてくれはしないだろう。

特に四国の公園は、お遍路という文化のあるところだから、幕営するのは暗に認めてくれているところが多い(ように思う)。
注意書を読むと、どこも野球やサッカー、犬を連れてくるのは禁止と書かれているのだけれど、キャンプ禁止とは書かれていない。抜け落ちているのではなく、たぶん敢えて書いていない。お遍路の野宿は大目に見てくれているのだと思う。

ここもたぶん、公式に幕営が禁止されているわけではないのだと思う。
が、ダメという人がいればどくより仕方がない。

時刻はもう18:00。どくといってもさてどこへ・・・?
ここがダメだと言った店の人は、堀江中央公園を勧めてくれた。
今から公園まで戻るのも癪だ。が、こんな時間からまったく不透明な先へ突っ込むのは危険。
仕方なく先ほどスルーした公園に戻って幕営。

堀江中央公園はお遍路休憩所となっていて、野宿も(たぶん)大丈夫な場所である。
が、休憩所となっているのに明らかにあまり歓迎されていない、ちょっと異様な雰囲気の公園だ。
「ゴミをきちんと捨てろ」とか「監視しています」とか「110番通報します」など、乱暴な字でやたらと書きまくってある。
以前に迷惑なことをした人がいたのか、それとも管理人が神経質すぎるのか。
たぶん迷惑なことをした人がいたのだろう。お遍路かどうかわからないが、そういう人のせいでいいとばっちりだ。
いずれにしても・・・トイレの個室の中にまで「監視しています」と書かれているのはちょっと異常だ。

石がまったくなく、地面が硬くて刺さらないペグで強引にテントを張る。
いつも以上にMSRの点火に気を遣う。
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天気予報によると、明日の午前中は雨らしい。昨日までそんなこと一言も言ってなかったのに・・・。
明朝はMSRを使うのをやめて、早々にテントを撤収して東屋の下に避難することにしよう。

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Theme [四国遍路] Genre [旅行]
Trackback [0] | Comment [0] | Category [■ 003_Iyo / 伊予 26札所 360km] | 2016.05.30(Mon) PageTop
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1970年生まれ。妻と二人信州伊那谷在住。
2009年10月~2013年5月の旅を記録するために”なかっぴー通信”をスタートさせました。
現在は伊那谷にて節約生活をしながら充電中。
2014年4月、ブログのタイトルを”なかっぴー通信NEO”に改めました。
信州伊那谷より~旅のこと、山のこと、自転車のこと、そして田舎暮らしのことなどなど・・・気ままに綴ってゆきます。
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